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ユーロが対ドルで4カ月ぶり安値から反発-独GDP受け買い戻し

東京外国為替市場では、ギリシャ政 局の先行き不透明感でユーロ売りが進行していたが、午後の取引終盤で は、ドイツの国内総生産(GDP)が市場の予想を上回ったことから、 ユーロが買い戻される展開となった。

ユーロ・ドル相場は午前の取引で一時1ユーロ=1.2814ドルと、1 月18日以来、約4カ月ぶりの水準までユーロ安が進行。午後の取引にか けて、1.28ドル台前半を中心に取引されていたが、日本時間午後3時に 独GDPの結果が伝わると、1.2860ドルまで値を戻した。

ユーロ・円相場は午前に付けた日中の安値1ユーロ=102円28銭か ら、102円79銭まで水準を切り上げた。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、ユーロは朝方に かなり売られて1.28ドル割れぎりぎりまで下落した後はもみ合いとな り、「次の材料待ち」といったところに、独GDPの結果が良かったの で、ユーロの買い戻しが入ったと説明。ただ、ギリシャでは連立政権樹 立に向けた大統領の説得が続いており、独仏首脳会談でも足並みがどれ くらいそろっているかを見極める必要があると言い、内容次第でユーロ が上下する可能性が残るとしている。

独連邦統計庁が発表した1-3月の実質GDP速報値(季節調整済 み)は前期比0.5%増と、ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予 想の0.1%増を上回る伸びとなった。

一方、ドル・円相場はユーロ主導の展開となる中、ドルの上値が1 ドル=79円94銭、下値が79円81銭と、値幅13銭でこう着した相場展開が 継続した。前日の取引では一時80円19銭と、4日以来の水準までドル 高・円安が進んでいたが、海外市場では円買いが優勢となり、2営業日 ぶりの円高値79円68銭を付ける場面も見られた。

ギリシャ政局の混迷続く

ギリシャではパプリアス大統領が再選挙を回避するため、政治家で はない学識経験者などから成る内閣の樹立を提案。全ギリシャ社会主義 運動(PASOK)のベニゼロス党首によると、大統領は極右政党を除 く全党の党首に対し、アテネ時間15日午後2時(日本時間同午後8時) の会合を呼び掛ける。

野村証券金融市場調査部の池田雄之輔チーフ為替ストラテジスト は、ギリシャ情勢について、「現段階で再選挙に突入するリスクは7割 程度」とみており、そうなった場合には、緊縮財政に反対している急進 左派連合(SYRIZA)が勢力を増す可能性があると分析。左派政権 の誕生となれば、「欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)との交 渉が決裂し、ユーロからの離脱を余儀なくされる可能性も相当程度高 い」といい、ユーロはじりじり下がる展開を見込んでいる。

ただ、池田氏は、「まだ連立政権樹立でギリシャがユーロに残留す る可能性は完全に消滅していない」とも言い、「ユーロの投げ売りとい うところまではいっていない」としている。

14日に大統領が召集した会合には、総選挙で第2党に躍進した SYRIZAのツィプラス党首が参加を拒否。出席した民主左派のクベ リス党首は、大統領の提案に反対を表明するなど、政局は混迷を強めて いる。

こうした中、前日の欧州債市場ではスペインの10年債利回りが5カ 月余りで初めて6.3%を突破。一方、域内の安全資産とされるドイツ国 債の2年、5年、10年、30年物の各利回りは過去最低まで低下した。

みずほ証券の鈴木健吾FXストラテジストは、ギリシャのユーロ離 脱とユーロ残留で市場予想も真っ二つに割れてきていると言い、不透明 感が非常に強い中で「ユーロはなかなか買えない」と話す。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセン ブルク首相兼国庫相)は14日、ブリュッセルでのユーロ圏財務相会合の 終了後に記者団に対し、ギリシャのユーロ圏離脱の観測は「ばかげてい る」と指摘。完全に機能するギリシャ政府だけが、支援策の条件の修正 の資格があると述べた。

一方、14日の米国市場では、ギリシャ情勢の先行き不透明感を背景 に株価が下落。債券は買われ、10年債の利回りは7カ月ぶり低水準を付 けた。

JPモルガン・チェース銀行債券為替調査部の棚瀬順哉チーフFX ストラテジストは、「ギリシャの話がすぐには落ち着かないのは目に見 えている」といい、市場は依然としてリスクオフ(回避)の方向に傾い ていると指摘。ドルと円が買われやすい中で、ドル・円相場は米金利の 動向がカギになるとし、欧州情勢を背景とした「質への逃避」に加え て、米経済指標の弱含みを受けて米金利が一段と低下すると、ドル安・ 円高圧力がかかりやすいとみている。

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