日本株は下落、輸出など景気敏感業種に売り圧力-ギリシャ混迷警戒

東京株式相場は下落。ギリシャの 政局混迷で欧州債務問題への不安が強まり、景気や為替の円高進行を 警戒する動きから輸送用機器や機械、電機など輸出関連、鉱業、海運、 パルプ・紙といった景気敏感業種を中心に売られた

TOPIXの終値は前日比9.28ポイント(1.2%)安の747.40、 日経平均株価は同73円10銭(0.8%)安の8900円74銭。

東京海上アセットマネジメント投信の久保健一シニアファンドマ ネジャーは、ギリシャ問題は為替の円高や投資家心理を通して日本株 市場に影響しているといい、「まさに海外がくしゃみをすれば日本株が 風邪をひく状況だ」と指摘した。ただ、市場で懸念が高まっているギ リシャのユーロ離脱に関しては、「投機筋の売りによるユーロ暴落につ ながるため、可能性は低いのではないか」と言う。

ギリシャの新聞「タネア」がパパデモス首相からパプリアス大統 領に宛てた書簡を基に報じたところによると、同国政府は6月に予定 される債務の返済が困難な状況という。欧州連合(EU)などからの 融資のうち、10億ユーロ(約1030億円)の提供が差し控えられてい ることや、6日の総選挙後に税金の徴収が滞っていることが国庫を圧 迫していると同紙は報じた。

債務不安国に警戒波及

ギリシャの政情不安は、債務問題を抱える他のユーロ圏諸国にも 波及し、スペインの2年国債利回りは14日に25.6ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上げ、4.03%と昨年12月中旬以来の水準ま で上昇した。また、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サ ービスは、経済見通しや減益を理由に、イタリアの銀行26行の長期債 務格付けと預金格付けを1段階から4段階引き下げた。

為替市場ではユーロが売られ、日本時間15日の東京株式市場の取 引時間中、ユーロ・円相場は1ユーロ=102円台前半と前日に比べ円 高水準で推移。また、ニューヨーク商業取引所の原油先物6月限は、

1.4%安と中心限月としては5カ月ぶりの安値で、ロンドン金属取引所 (LME)の銅、アルミ、ニッケル、鉛、亜鉛、スズで構成するLM EX指数は1.9%安で1月9日以来の安値となっていた。

前日のストックス欧州600指数は1.8%安、ダウ工業株30種平均 が1%安となるなどリスク資産から資金が流出する中、日本株市場で も輸出関連を中心に売りが増加。東証1部33業種では紙パ、鉱業、電 気・ガス、海運、不動産、ガラス・土石製品、証券・商品先物取引、 輸送用機器、精密機器などが下落率上位に並んだ。

プットオプションの売買活況に

投資家の間で相場の一段安を警戒する動きが強まっており、日経 平均オプション6月物のうち、権利行使価格8750円以下のプットの売 買が活況だ。中でも、行使価格8250円の出来高は前日の2倍以上の1 万6225枚と特に膨らみ、行使価格8000円や7500円などの出来高も前 日を大きく上回った。

東証1部の売買代金上位では、トヨタ自動車や三菱UFJフィナ ンシャル・グループ、日立製作所、グリー、ホンダ、コマツ、国際石 油開発帝石などが下落。個別材料株では、東京精密が急落。2013年3 月期の連結営業利益予想は前期比28%減の70億円と、アナリスト予 想の平均を下回り、三菱UFJモルガン・スタンレー証券ではネガテ ィブな印象との見方を示した。13年3月期の連結純利益を前期比41% 減と計画、野村証券の格下げも受けた北越紀州製紙は52週安値。第1 四半期の営業赤字額が前年同期から拡大したスタジオアリスも安い。

一方、NTTやファーストリテイリング、武田薬品工業は上げ、 今期の営業利益計画が市場予想を上回った太陽誘電、今期増益予想の ダイフクなどが上昇率上位に並んだ。

東証1部の売買高は概算で20億5941万株、売買代金は1兆1585 億円、値上がり銘柄数は358、値下がり1237。国内新興市場では、ジ ャスダック指数が前日比0.7%安の49.91と3日続落し、終値で2月 21日以来の50ポイント割れ。東証マザーズ指数も同3.8%安の323.55 と3日続落した。

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