ユーロ圏財務相:ギリシャに猶予も-緊縮策公約の政権誕生なら
James G. Neuger、Josiane Kremer欧州各国は、ギリシャが緊縮財政策 の実施を公約する連立政権を樹立する場合に限って、同国に財政赤字削 減目標を満たすための猶予期間を与えることを示唆した。
ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセン ブルク首相兼国庫相)は14日、ブリュッセルでのユーロ圏財務相会合の 終了後に記者団に対し、ギリシャのユーロ圏離脱に関する憶測は「ばか げて」おり、「プロパガンダ(宣伝)だ」と指摘。その上で、完全に機 能するギリシャ政府だけが、支援策の条件を修正する資格があると述べ た。
同議長はまた、「ギリシャ政府は支援プログラムを順守する必要が ある」と言明。「環境に劇的な変化があれば、われわれは期間延長の議 論の道を閉ざさないだろう」と語った。
ギリシャの総選挙後、連立政権樹立に向けた各党の交渉が行き詰ま ったことで、14日の欧州市場では緊張が高まった。ユーロは過去11営業 日で10日下落。株価は3営業日ぶりに反落した。次に金融支援を受ける 可能性が取り沙汰されるスペインでは、国債利回りが5カ月ぶり高水準 に達した。
ジェフリーズ・インターナショナルの欧州担当シニアエコノミス ト、マーチェル・アレクサンドロビッチ氏(ロンドン在勤)はリポート で、「ユーロ崩壊のストーリーが再び勢いを増しつつある」と指摘。 「ギリシャがユーロ圏を離脱することになれば、他の国が直ちに続くこ とはないとどんなに説明しても投資家は納得しないだろう」と話した。
公約の尊重
欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のレーン委員(経 済・通貨担当)は、「連帯は相互的なものだ」と発言。「公約が尊重さ れ、財政目標が公約の中核であることを期待する」と述べた。
ギリシャの株価指数であるASE指数は14日、前週末比4.6%安 の584.04と、1992年11月以来の安値で引けた。先週は週間で11%下げ た。
オランダのデヤーヘル財務相は、「ギリシャは改革と財政緊縮を支 持する議員を選ぶ必要がある。さもなければ大きな問題が起きるだろ う」と言明。「改革や歳出削減を抑制することで合意内容を後退させる 余地はない」と述べた。
原題:Euro Chiefs May Offer Leniency to ‘Functioning’ Greek Government(抜粋)
--取材協力:Jurjen van de Pol、Rebecca Christie、Jonathan Stearns、Lorenzo Totaro、Angeline Benoit、Odette Berg、David Tweed、Rainer Buergin、Jeff Black、Ott Ummelas、Gonzalo Vina、Tony Czuczka、Maria Petrakis、Paul Tugwell.