ムーディーズ:イタリアの銀行26行格下げ-緊縮策が景気圧迫

米格付け会社ムーディーズ・インベ スターズ・サービスは14日、イタリアの銀行26行の長期債務格付けと預 金格付けを1段階から4段階引き下げたと発表した。利益の減少やイタ リアの経済見通しを理由に挙げた。

14日にウェブサイトに掲載された一覧表によると、ムーディーズは 同国の銀行最大手ウニクレディトの長期債務格付けを1段階引き下げ 「A3」とした。同2位のインテーザ・サンパオロは「A2」から「A 3」に格下げした。

ムーディーズは発表文で「イタリアの銀行は経営環境悪化から特に 影響を受けやすい。それに伴い、資産の質の一段の低下や収益への圧 力、市場での資金調達が制約される事態を招く公算が大きい」と指摘。 「これらのリスクはイタリア政府の債務負担の持続可能性をめぐる投資 家の懸念によって増幅されている」と分析した。

今回の決定はムーディーズによる2月13日のイタリアやスペインな ど6カ国の信用格付け引き下げに伴う措置。同社はイタリアの格付けを 「A2」からジャンク級(投機的水準)を4段階上回る「A3」に引き 下げ、見通しを「ネガティブ(弱含み)」としていた。

アクシア・ファイナンシャル・リサーチのマネジングディレクタ ー、ファブリツィオ・スパーニャ氏は「景気サイクルと同国債務の相互 関係を考慮すると、現段階でイタリアの銀行の格下げは予想されてい た」と指摘。「銀行は大量の国債を抱えており、それが財務状況に影響 している」と付け加えた。

国債保有

イタリアの銀行による同国債保有は今年1-2月に急増した。欧州 中央銀行(ECB)が2回にわたる3年物資金供給オペを通じて域内金 融システムに1兆ユーロを注入したことが背景。イタリア銀行(中央銀 行)によると、金融機関の保有国債は1-2月に28%増加し2670億ユー ロに達した。

ムーディーズは14日の発表文で「イタリア政府の緊縮策と構造改革 が同国の短期的な経済見通しを圧迫している」とした。同社によると、 債務・預金格付けを1段階引き下げたのは10行、2段階引き下げは8 行、3段階は6行、4段階は2行。

ムーディーズは今年2月に、欧州の銀行114行と大規模な資本市場 ビジネスを手掛ける欧州以外の8社の格付けを、欧州債務危機の影響を 評価するために見直すと発表。4月には、見直し完了のめどを従来の目 標である5月半ばから6月末に先送りしている。4月13日の発表文によ ると、イタリアの銀行の次はスペインの銀行の結果を公表する見通し で、その後はオーストリア、さらにドイツやフランス、英国などが続く 見込み。

公式な発言を認められていないとしているムーディーズ関係者は14 日の格下げ発表に先立ち、同社による欧州銀格下げが遅れていると述べ ていた。ただ同社広報担当のカーステン・ナイト氏は同日、銀行格付け の見直し日程に変更はなく、「6月末までに完了する見通しだ」と説明 した。

原題:UniCredit, Intesa Among 26 Italian Banks Downgraded by Moody’s(抜粋)

--取材協力:Andrew Frye.

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