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藤井氏:消費増税失敗なら大手銀の国債売りも-インタビュー

民主党の藤井裕久税制調査会長(元 財務相)は、野田佳彦首相が目指している消費税増税関連法案の国会成 立に失敗すれば、日本国債の格付けが引き下げられて大手邦銀の国債売 りを誘発する危険性があるとの認識を示した。14日に行ったブルームバ ーグ・ニュースのインタビューで語った。

藤井氏は大手銀行の日本国債への対応について「メガバンクはもう 売りの態勢だ。名前は言うのはやめておくが、いつ売ろうか、という勉 強会を立ち上げている」と指摘。その上で、社会保障と税の「一体改革 が通らないと格付け会社はマイナスの評価をして国債は売られ、金利高 が始まる。金融機関は大損になるので早目に売ってくる」との見通しを 示した。

日本銀行は4月、「金融システムレポート」で、国債など債券の金 利が一律に1%上昇すると大手行で3.4兆円、地域銀行で3.0兆円の損失 が発生するとの試算を発表した。11年12月末の時点で、日本国債の保有 割合は、国庫短期証券、財融債も含めた合計で銀行などの「預金取扱金 融機関」が38.8%、「保険・年金基金」が21.8%となっている。

藤井氏は野田政権が消費増税に失敗した場合の市場の反応は「日本 売りだ。ダイレクトには円安になり、大きな意味での株安要因になる」 との認識も明らかにした。

野田政権が国会に提出している消費税増税関連法案は、税率(現行 5%)を2014年4月に8%、15年10月に10%へと段階的に引き上げるこ とが柱。

第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは、野田政権が消 費増税法案の国会成立に失敗した場合の市場の反応について「仮に法案 が否決されると財政再建の展望が開けなくなることは確かだが、金利が 急上昇するとは言い切れない」と指摘。その上で、「長期金利が現在のよ うな歴史的低水準にとどまるという安心感はなくなる可能性はある」と の見通しを示した。

日銀法

与野党の一部にある日銀法改正論については「大反対。論外だ」と 批判。金融政策の在り方に関しては「金融を緩めることで経済をよくす る、というのは時に誤る。プラザ合意で日銀は猛烈な緩和政策をやり、 これがバブルの原因になった」と過度な金融緩和への警戒感を示した。

民主党内の増税慎重派議員の中で、名目3%、実質2%の成長率達 成を消費税増税の条件とするよう法案の修正を求める意見があることに ついては「先進国経済は実質2%が限度。1%成長だったらやらない方 がおかしい」と反論した。

急激な円高に対応するために民主党政権が行ってきた円売り・ドル 買いの為替介入は「極端に動いた時に介入と政府は言っているし、正し いと思うが、なだらかにずっと円高が続いていると介入しても意味がな い」と述べ、あくまで「目先の措置」にすぎないとの考えを強調した。

円高に関しては「どうしても輸出産業だけに目がいくが、必ず裏腹 でプラスがある」と語った。海外での資源開発などに取り組む企業にと っては追い風になるとして「現に商社は非常に高収益だ。明らかに海外 との取り引きで円高が高収益に結びついている」と分析した。

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