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財政赤字を重視しない米国債市場、需要旺盛で落札利回り最低

米国政府は過去最大の公的債務と財 政赤字を削減できずにいるものの、同国債利回りは低下(相場は上昇) している。

米国の財政赤字が4年連続で1兆ドル(約80兆円)を超える中で、 ワシントンでは過大な政府債務が懸念されているが、投資家の米国債に 対する需要はとどまるところを知らない状況だ。米財務省が先週実施し た10年債入札は需要が旺盛で、最高落札利回りは1.855%と、同年限で は過去最低を記録した。資産運用者が米国債をため込んでいることか ら、米国債取引高は世界金融危機が始まった2007年より前の水準に減少 している。

ヘッジファンドのアルゴノート・キャピタル・マネジメントの創業 者、デービッド・ガーステンヘーバー氏は「この異例の低金利環境から すぐに脱け出す可能性が高いとは思わない」と指摘。赤字はいつか問題 になるものの、資本の価値を維持しようとする投資家の意欲が利回りを 抑えていると分析した。

1990年代にジュリアン・ロバートソン氏率いるタイガー・マネジメ ントで勤務した経歴を持つガーステンヘーバー氏は今月10日の電話イン タビューで、「現状では確定利付き債を必要とする受託者の側で、安全 資産に対する需要が十分過ぎるほどあるようだ」と付け加えた。

米国債の発行残高は07年以降に2倍強に増加し10兆4000億ドルに達 したものの、銀行の資本規制強化に対応できる十分に安全な資産が世界 的に減少しているため、米国債の希少性が高まっている。シティグルー プによると、米国と英国、ドイツのほか欧州9カ国の質の高い国債の合 計は07年時点の72%にとどまる。

売却に消極姿勢

米国の10年債利回りは8週連続で低下し、1998年以降で最長の金利 低下となった。11日は1.84%で終了し、4日の1.88%を下回った。3 月20日には今年最高の2.40%を付けていた。過去20年の平均は4.93%。

こうした低金利でも、投資家は米国債売却に消極姿勢を強めてい る。プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)21社による米 国債取引は4月に週平均で4957億ドルと、発行残高の4.8%だった。07 年6月時点の取引高は6490億ドルと、発行残高4兆3000億ドルの15%相 当で、当時の10年債利回りは5.32%だった。

プルデンシャル・ファイナンシャルのチーフ投資ストラテジスト、 ロバート・ティップ氏は「米国の財政状況が悪く、劇的に増加した債務 負担は明らかな解決策が見えない中で増加している」にもかかわらず、 「投資家は引き続き米国債を頂点に位置付けている」と指摘した。

原題:Treasuries’ Demand Show Deficits Don’t Matter With Record Yields(抜粋)

--取材協力:Cordell Eddings、Mike Dorning.

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