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英ポンド、スイスフランに代わり欧州で最も人気の避難通貨に

欧州債務危機が再燃するとの懸念が 強まる中、英ポンドは為替トレーダーが最も好む避難通貨に浮上してい る。ここ3年間で2度目のリセッション(景気後退)に陥っている英景 気の浮揚に向けたキャメロン首相の取り組みに黄信号がともっている。

ブルームバーグのデータによると、ポンドは今年に入り3.4%高 と、主要先進国10通貨で最大の上昇。ストラテジストはポンドの対ユー ロでの年末予想を3.6%引き上げた。また、オプション取引では、ポン ド・ユーロ相場に対する投資家の見方がより強気になっていることが示 されている。

強気派によると、イングランド銀行(英中央銀行)の量的緩和策に もかかわらず、ポンドが昨年10月から対ユーロで7.4%上昇しているこ とは、英国の景気底入れを示唆しているという。一方、弱気派は、ポン ド高で英輸出品のユーロ圏での競争力が低下するため、上昇は一時的に とどまるとみている。ユーロ圏が英国の輸出に占める割合は約47%に上 る。

モルガン・スタンレーの欧州為替戦略責任者、イアン・スタナード 氏は8日の電話インタビューで、「英国の経済的状況はそれほど良くな いかもしれないが、ユーロ圏の政治的不確定さのために避難先の地位を 享受している」と指摘。「ポンドがスイス・フランのような従来の避難 先と比べて有利なのは、英資本市場の方が流動性が高いことだ。不利な 点は、ポンド高が輸出に打撃を与える可能性があることだ」と述べた。

フラン上限

従来、世界の金融危機や政治的混乱からの避難先として、投資家が 最も好む国はスイスだった。このため、フランの対ユーロ相場は、2007 年の1ユーロ=1.68280フランから昨年8月には1.00800フランまで上 昇。スイス国立銀行(中央銀行)は昨年9月6日、フラン上昇抑制に向 け1ユーロ=1.20フランの上限を設定した。それ以来、フラン は1.24740-1.19900フランで推移している。

こうした措置を受け、フランに代わりポンドが最も選好される避難 通貨になっている。国際決済銀行(BIS)のデータによると、2010年 時点でポンドの為替市場での1日の取引はフランの2倍。

バンガード・グループのジェフリー・モリター最高投資責任者 (CIO)は8日のインタビューで、「最近では英国よりも欧州の状況 に対する不安の方がずっと大きくなっている」と指摘。「比較的政府が 安定し、労働者の知的水準が高く、経済が成長する可能性があるため、 英国には投資妙味がある」と述べた。

原題:Pound Wins Least-Ugly Contest in Europe as Franc Haven Lost (1)(抜粋)

--取材協力:Fergal O’Brien、Scott Hamilton.

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