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ユーロ売り先行、ギリシャ政局混乱や独州議会選受け

東京外国為替市場ではユーロが対ド ルで1ユーロ=1.2900ドルを割り込み、1月以来の安値を更新した。ギ リシャの連立交渉の行き詰まりやドイツ州議会選挙での国政与党の敗北 など、欧州の政治不安が高まり、ユーロを売る動きが先行した。

ユーロ・ドル相場は一時、1.2875ドルと1月23日以来の水準までユ ーロ安・ドル高が進行。その後も1.2900ドルを下回ったままで、午後4 時35分現在は1.2878ドル前後となっている。

バークレイズ銀行チーフFXストラテジストの山本雅文氏は、ギリ シャでは再選挙をしても状況が改善するとの見通しが立たず、むしろユ ーロ離脱というテールリスクが意識され、「どうなるかわからないとい うことに対する不安」があると説明。「この混乱が続く限り、もう少し ユーロ売り圧力は続くかもしれない」と語った。

ユーロ・円相場も朝方に一時1ユーロ=102円99銭までユーロ売り が先行。その後は103円前半でもみ合いとなったが、ユーロの上値は重 かった。

一方、ドル・円相場は1ドル=80円ちょうど前後でもみ合った。朝 方には80円13銭まで円がじり安となる場面があり、国内輸入企業などの 円売り需要が聞かれた。また、野田佳彦首相が単独介入の可能性を排除 していないと米紙ウォールスト リート・ジャーナル(WSJ)が報じ たことが一部で円売り材料視されたとの見方もあったが、円売りも続か ず、午後には再び80円を割り込む場面も見られた。

ギリシャのユーロ離脱リスク

米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスはギリシャ の6日の総選挙の結果、同国の無秩序なデフォルト(債務不履行)やユ ーロ離脱のリスクが上昇したとの見解を明らかにした。ユーロ離脱リス クは同国の銀行の格付けにとってマイナスだとしている。

ギリシャでは先週の総選挙で結論が出ず、挙国一致内閣に向けた協 議では救済合意に反対する急進左派連合(SYRIZA)が参加要請を 拒否。パプリアス大統領が仲介する一連の会合は14日も継続されるが、 再選挙の実施は一段と近づいており、かつてタブー視されてきたユーロ 圏離脱の可能性が現実味を帯びつつある。

一方、13日投開票されたドイツのノルトライン・ウェストファーレ ン州議会選では、メルケル首相率いる国政与党のキリスト教民主同盟 (CDU)が社会民主党(SPD)に敗れた。国政野党のSPDが地方 政府の掌握をさらに強める結果となった。同州は最大の人口を抱える。

外為どっとコム総合研究所のジェルベズ久美子研究員は、ギリシャ の政権樹立が難しいという状態になってしまうと、前例のない加盟国の ユーロ離脱という事態も視野に入ると指摘。加えて、これ以上の緊縮は 無理というギリシャ国民の世論に対して、ドイツの選挙では「お荷物の 国を助けることについて与党の支持率が下がる」という結果になってお り、ユーロ売り材料が重なっていると説明した。

欧州で政治不安が高まる中、14日のユーロ圏財務相会合は、ギリシ ャ向け国際支援を議論する見込みで、4回目の銀行健全化の試みを先週 打ち出したスペイン情勢も議題に上るとみられる。また、15日のオラン ド次期仏大統領とメルケル独首相の会談では、経済成長と緊縮策をめぐ る議論が焦点となる。

中国が預金準備率引き下げ

一方、中国人民銀行(中央銀行)は12日に市中銀行の預金準備率を 引き下げると発表した。預金準備率引き下げはここ5カ月間で3回目。 人民銀のウェブサイトによると、預金準備率は50ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)引き下げられる。実施は今月18日からで、同国の 経済指標で成長減速が鮮明となる中で、金融システムへの資金供給を増 やし、融資を後押しする。

バークレイズ銀の山本氏は、「預金準備率の引き下げは前から予想 されたもので、タイミングの問題だったため、豪ドルを押し上げる効果 はほとんどなかった」と話した。豪ドルはこの日、反発して始まったも のの、その後反落し、対米ドルでは今年初めてパリティ―(等価)を割 り込んだ。

--取材協力:三浦和美 Editors: 持田譲二, 山中英典

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