TOPIX4日続落、欧州政情懸念し輸出安い-業績失望の武田薬も

東京株式相場は、TOPIXが小 幅ながら4日続落。欧州の政情不透明感から円が対ユーロで高止まり、 業績懸念で輸送用機器やゴム製品、精密機器など輸出関連株が安い。 決算内容を受けた個別の選別色も強く、今期営業減益予想の武田薬品 工業、前期利益が従来計画を下回った住友電気工業は急落した。

TOPIXの終値は前週末比1.70ポイント(0.2%)安の756.68。 一方、日経平均株価は同20円53銭(0.2%)高の8973円84銭。東証 1部の下落銘柄数は1198と上昇の391を大きく上回る状況だったが、 ファナックやファーストリテイリングなど指数寄与度の高い銘柄が上 げた影響で、日経平均は4営業日ぶりに反発した。

ビスタマックス・ファンド・アドバイザーズの藤原正邦代表取締 役は、欧州では中央銀行の長期資金供給による効果が薄れ、各国の政 情不安に視点が移っており「相場の一段高には何らかの資金供給が必 要な段階に来ている」と言う。また、中国の預金準備率引き下げに関 しては「インパクトが小さく、政策金利を引き下げる必要がある。同 国経済に対する投資家の懸念は高まっている」と話していた。

ユーロ圏離脱の可能性が市場で警戒されているギリシャでは、国 際支援の条件である歳出削減に反対する急進左派連合が、挙国一致内 閣には参加しない考えをあらためて表明。ギリシャの再選挙実施の可 能性が高まった。また、13日に投開票されたドイツの最大州であるノ ルトライン・ウェストファーレン州の議会選挙では、メルケル首相率 いる国政与党のキリスト教民主同盟が国政野党の社会民主党に敗れた。

日本時間14日の東京外国為替市場では、ユーロ・円相場が1ユー ロ=103円付近と前週末の円高圏で推移し、欧州不安再燃によるユー ロ売りへの警戒感は継続している。

一方、中国人民銀行(中央銀行)は12日、18日から市中銀行の 預金準備率を50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げ ると発表した。預金準備率の引き下げは、ここ5カ月間で3回目。成 長減速が鮮明となる中、資金供給を増やし、融資を後押しする。

朝高後は買い続かず、割安感支え

きょうの日本株は、中国の金融緩和を受け機械や商社、ファナッ クといった同国経済の動向と関連が深い業種、銘柄が買われ、朝方に 日経平均は一時77円高まで反発する場面があった。ただ、中国の上海 総合指数、香港ハンセン指数などアジア株の反応は鈍く、ギリシャの ユーロ離脱懸念など欧州不安もくすぶることから、午前後半にかけ失 速。午後はほぼ横ばいで推移した。

ただ、4月以降の下落を受け、割安感から下値を売り込む動きも 限定的。東証1部の値上がり・値下がり銘柄数の百分比を示す騰落レ シオ(25日移動平均)は11日時点で66%と、売られ過ぎを示すとさ れる70%を3日連続で下回っている。また、バリュエーション面でも、 東証1部の株価純資産倍率は0.95倍と解散価値とされる1倍を割り 込む状況にある。

東証1部33業種はパルプ・紙や非鉄金属、ゴム製品、鉱業、医薬 品、食料品、化学、石油・石炭製品、精密機器、鉄鋼、輸送用機器な ど22業種が下落。電気・ガスやその他金融、証券・商品先物取引、保 険、陸運、銀行など11業種は高い。

武田薬や住友電工安い、電力は堅調

個別では、武田薬が下落。主力糖尿病薬の落ち込みが大きいとし、 2013年3月期の連結営業利益は前期比40%減の1600億円になると予 想。クレディ・スイス証券では、2000億円を割り込むことは想定外で、 最大級のネガティブサプライズとした。住友電工も大幅安。12年3月 期の連結純利益が会社計画を下回ったほか、13年3月期見通しも市場 の事前予想を下回った。

一方、関西電力が午後に上昇。福井県おおい町議会が大飯原発3、 4号機の再稼働に同意したと共同通信が正午過ぎに報じ、域内への電 力供給不足の解消や化石燃料コスト減少への期待が広がった。また、 日本ガイシは急騰。昨年9月の火災事故発生で生産を停止していた電 力貯蔵用のナトリウム硫黄(NAS)電池の生産を7月にも再開する と明らかにした、と12日付の日本経済新聞朝刊が報じたことを受けた。

東証1部の売買高は概算で16億5958万株、売買代金は9919億円 と、代金は6日ぶりの1兆円割れ。国内新興市場は、ジャスダック指 数が前週末比1.6%安の50.56、東証マザーズ指数が同4.6%安の

336.30とともに続落した。

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