5月11日の米国マーケットサマリー:S&P500、2カ月ぶり安値

ニューヨークの為替・株 式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替         スポット価格 前営業日
ユーロ/ドル        1.2918   1.2936
ドル/円             79.90    79.93
ユーロ/円          103.21   103.39


株                 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率
ダウ工業株30種     12,820.60    -34.44     -.3%
S&P500種         1,353.39     -4.60     -.3%
ナスダック総合指数  2,933.82     +.18      +.0%


債券          直近利回り 前営業日比
米国債2年物      .26%       +0.00
米国債10年物     1.84%       -.03
米国債30年物     3.02%       -.02


商品 (中心限月)            終値    前営業日比  変化率
COMEX金(ドル/オンス) 1,584.00   -11.50  -.72%
原油先物   (ドル/バレル)    95.82    -1.26 -1.30%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで反落。週間ベ ースでは2週連続安となった。ギリシャの新政権樹立へ向けた交渉 難航を背景に、同国がユーロ圏離脱を余儀なくされるとの懸念が高 まっている。

全ギリシャ社会主義運動(PASOK)のベニゼロス党首によ る連立政権樹立の試みが11日も不調に終わったことを受け、ユー ロ売りが広がった。同党首は明日パプリアス大統領に組閣の責務を 返上する。ドルと円は主要16通貨中で最も上げが大きい。JPモ ルガン・チェースは前日、想定外の20億ドルのトレーディング損 失を被ったと発表。比較的安全とされる通貨が買い求められた。一 方オーストラリア・ドルをはじめとする高利回り通貨は下落。中国 の工業生産と小売売上高の伸びが予想を下回ったことが手掛かり。

ソシエテ・ジェネラルの法人為替営業ディレクター、カール・ フォチェスキ氏(ニューヨーク在勤)は「市場はソブリン債危機の 成り行きを見つめ、取引のタイミングを計ろうとするだろう」とし、 「連立政権が発足するのか、どういう主張が聞かれるのか、再選挙 の可能性はどうか。市場がこういったことに考えを巡らす限り、ユ ーロは軟調に推移するだろう」と述べた。

ニューヨーク時間午後2時1分現在、ユーロはドルに対して前 日比0.1%安の1ユーロ=1.2923ドル。一時1.2905ドルと、 1月23日以来の安値を付けた。この日のユーロは対円で0.1%下 げて1ユーロ=103円25銭。一時、0.4%安まで下げる場面もあ った。ドルは円に対してほぼ変わらずの1ドル=79円90銭。

円は朝方、一部主要通貨に対する上げを失う場面が見られた。 米消費者信頼感指数が予想を上回り、より高利回りの資産を求める 動きが高まったことが背景にある。

◎米国株式市場

米株式相場は下落。S&P500種株価指数は2カ月ぶり安値と なった。消費者マインド指数の上昇がプラス材料となったものの、 JPモルガン・チェースの20億ドルの取引損失に反応し銀行株が 大きく下げたことが響いた。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株 価指数は前日比0.3%安の1353.39。ダウ工業株30種平均も

0.3%下げて12820.60ドル。

マーケットフィールド・アセット・マネジメント(ニューヨー ク)のマイケル・ショール会長は、「JPモルガンにとっては大打 撃だ」とし、「大手行でも順調な方だと考えられていた。規制をめ ぐる議論はすでに進んでいる。ジェイミー・ダイモン最高経営責任 者(CEO)は抵抗しづらい状況になるだろう。JPモルガンの立 場は弱くなる」と続けた。

S&P500種の金融株指数は1.2%安。指数全体における金融 株の比率は15%。

◎米国債市場

米国債相場は上昇。週間ベースでは過去13年余りで最長の連 続高となった。欧州危機の深刻化や米銀JPモルガン・チェースが 20億ドルの取引損失を被ったことを背景に、安全資産とされる米国 債への需要が高まった。

10年債利回りは8週連続で低下、3カ月ぶりの低水準に接近し ている。ドイツのショイブレ財務相はユーロ圏がギリシャの離脱に も対応できるとの見解を示唆した。4月の米生産者物価指数(PP I)が低下したことや、ニューヨーク連銀が長期債18億ドル相当 を購入したことを手掛かりに、30年債も上昇した。

ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券取引責任者、デビ ッド・コード氏(ニューヨーク在勤)は、「国債相場の動きは不確 実性が大きいという事実を物語っている」と指摘。「欧州を中心と した要因が大半だ。JPモルガンの取引損失には誰もが不意打ちを 食らっており、それも米国債を支えている」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク 時間午後1時06分現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)低下の1.85%。同年債(表面利率

1.75%、2022年5月償還)価格は6/32上げて99 1/8。

◎NY金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反落。4カ月ぶりの安値となった。 欧州の債務危機が深刻化しているとの懸念を背景にドルが上昇した ことで、代替投資先としての金の需要が減退した。週間ベースでは 3月以来の大幅安。

ギリシャでは6日の総選挙を受けた政局混迷で早ければ来月に も再選挙が実施される可能性が高まっており、緊縮財政の実現が危 ぶまれている。ドルが対ユーロで3カ月ぶりの高値となるなか、金 は月初からの下落率が4.8%となった。この日は銀やプラチナなど、 他の商品相場も軒並み下落した。

VTBキャピタル(ロンドン)のアナリスト、アンドレイ・ク リュチェンコフ氏は11日のリポートで、「金を選好する動きがま ったくみられない。現時点ではドルが好まれている」と指摘。「金 はリスク資産と同様の値動きを続けているため、安全を求めた金買 いはほとんど見られない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物6月限は前日比0.7%安の1オンス=1584ドルで終了。一時は 1572ドルと、中心限月としては1月3日以来の安値を付けた。週 間では3.7%値下がりし、3月2日終了週以来の大幅下落。

◎NY原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は反落。終値ベースで年初来安値を 更新した。中国の4月の工業生産が予想外に鈍化したほか、欧州の 債務危機が悪化したため、燃料需要が減少するとの懸念が強まった。

中国の工業生産は2009年以来の低い伸びとなった。スペイン 政府が国内の銀行に不動産関連の融資焦げ付きに備えて引当金積み 増しを義務付けると発表したことや、米銀JPモルガン・チェース による20億ドル(約1600億円)のトレーディング損失も売りを 誘った。在庫が21年ぶりの高水準となるなか、週間では2週連続 で下落した。

ショーク・グループ(ペンシルベニア州ビラノバ)のスティー ブン・ショーク社長は「複数の要因が組み合わさって原油相場は下 げた」と指摘。「原油在庫が潤沢で供給側には問題がない。最近の 経済指標は欧州の問題とともに需要減を示唆している」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物6月限は前 日比95セント(0.98%)安の1バレル=96.13ドルと、終値ベ ースでは昨年12月19日以来の安値となった。週間では2.4%安、 年初からは2.7%下げている。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net Editor: Kyoko Kobayashi 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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