コンテンツにスキップする

米国債:上昇、ギリシャ懸念で-週間では8週連続高

米国債相場は上昇。週間ベースでは 過去13年余りで最長の連続高となった。ギリシャが挙国一致内閣の樹立 に失敗したことから、欧州債務危機が深刻化するとの懸念が強まった。

10年債利回りは週間ベースで8週連続で低下、3カ月ぶりの低水準 に接近している。米銀JPモルガン・チェースが20億ドルの取引損失を 被ったことを背景に、安全資産とされる米国債への需要が高まった。4 月の米生産者物価指数(PPI)が低下したことや、ニューヨーク連銀 が長期債18億ドル相当を購入したことを手掛かりに、30年債も上昇し た。

BNPパリバ傘下のバンク・オブ・ザ・ウェスト(カリフォルニア 州)の債券トレーディング責任者、ポール・モンタキラ氏は「米国債を 選好する動きが著しい」と指摘。「欧州は家庭崩壊のようなものだ。利 回りが一定の水準になると、驚くほどに国債買いが強まる」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下の1.84%。同年債(表面利率1.75%、2022年5月 償還)価格は1/4上げて99 6/32。利回りは9日に1.79%と1月31日以来 の低水準を付けた。

米国債は1998年10月に週間ベースで9週連続の上昇を記録した。

ギリシャ情勢を注視

米連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミストが開発した金融モ デルに基づくタームプレミアム(期間に伴う上乗せ利回り)は、マイナ ス0.77%。2月2日には評価価値としては最も割高な水準となるマイナ ス0.79%を付けた。マイナスのタームプレミアムは適正水準を下回る利 回りでも投資家が積極的に国債を受け入れていることを意味する。

10日に公表されたシティグループの調査によれば、3カ月後の10年 債利回りの平均予測値は1.99%。4月時点の予想を24bp下回ってい る。

ギリシャのパプリアス大統領から3回目かつ最後となる組閣要請を 受けた全ギリシャ社会主義運動(PASOK)のベニゼロス党首は11 日、挙国一致内閣を成立させることに失敗した。12日に組閣の責務をパ プリアス大統領に返上する。同党首がアテネで記者団に明らかにした。

30年債利回りはこの日3bp低下の3.01%。

米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任 者(CEO)は10日、自社のリスクヘッジなどを担当する部門チーフ・ インベストメント・オフィス(CIO)の「甚だしい」失敗により、デ リバティブ(金融派生商品)の一種であるシンセティック・クレジット 証券関連で約20億ドル(約1600億円)の損失を同行が被ったことを明ら かにした。

「不意打ち」

ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券取引責任者、デビッ ド・コード氏(ニューヨーク在勤)は、「JPモルガンの取引損失には 誰もが不意打ちを食らっており、それも米国債を支えている」と述べ た。

米労働省が発表した4月の生産者物価指数(PPI)前月比 で0.2%低下した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト 予想の中央値は前月比変わらずだった。前年比では1.9%上昇で、2009 年10月以来で最小の伸びとなった。

ニューヨーク連銀はこの日、2036年2月-41年8月に償還期限を迎 える国債を購入した。

原題:Treasuries Rally for 8th Weekly Rise on European Debt Concern(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE