ギリシャ離脱「Grexit」に備えよ-投資家は警戒強める

ドイツのショイブレ財務相はギリシ ャに対して、ユーロ圏を離脱できるならしてみろと言わんばかりに挑発 しているが、その影で民間の投資家やエコノミストらは実際にそうなっ た場合に、共通通貨ユーロを守るために同財務相をはじめ当局者らが取 るべき措置を検討しつつある。

シティグループはギリシャのユーロ離脱という非常事態を「Gre xit(GreeceとExitを合わせた造語)」と名付けた。Gr exitの脅威からスペインなど他の財政難国を守る策には、欧州中央 銀行(ECB)による緊急融資と国債購入、銀行の資本増強と預金の保 証、域内救済基金の権限拡大などが含まれる。

ギリシャ総選挙後の政局混迷で、欧州当局者らがギリシャの離脱と いうタブーだった話題を公に口にし始めるようになった現在、そのよう な緊急計画の必要性は高まっている。ショイブレ財務相は独紙ライニッ シュ・ポストに11日掲載されたインタビューで、ギリシャが離脱しても ユーロ圏は乗り切れるとして、「他の諸国への感染リスクは軽減され た」と発言した。

債券ファンド大手、米パシフィック・インベストメント・マネジメ ント(PIMCO)のモハメド・エラリアン最高経営責任者(CEO) は、ユーロ圏離脱について「いかなるケースにしても、混乱を軽減する ための包括的計画の一部として行われなければならない」と述べた。 「現段階では提案されているいずれの方法についても、容易に問題点を 指摘することができる」と付け加えた。

リーマン・ショックのソブリン版

ギリシャが本当にユーロ圏を離脱しユーロを救う取り組みが失敗し た場合、世界経済はリーマン・ブラザーズ・ホールディングスのソブリ ン版に直面しかねない。これを考慮するとショイブレ財務相の自信 は、2008年のリーマン破綻の影響に対してポールソン米財務長官(当 時)が見せた楽観を彷彿とさせる。

ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのジム・オニー ル会長は9日のインタビューで、「危機の感染がないなら誰もギリシャ のことなど気にしないが、私にはそんな確信はない。私がドイツならリ スクを冒そうとは思わない」とし、「ギリシャの離脱が各国に予想外の 結果をもたらせば、そのようなリスクを冒したことは大間違いだったこ とになる」と語った。

ユーロ圏からメンバーが欠け始めれば、当局は残る財政難国への対 応として、資金逃避や銀行取り付け、デフォルト(債務不履行)につな がる債券利回り急上昇を防ぐため奔走することになるだろう。ギリシャ の国内総生産(GDP)はユーロ圏全体の2%に過ぎないが、ギリシャ の離脱は先例と見なされ、資金逃避を引き起こし得る。

パニックと一斉売りは必至

シュローダーのシニアアドバイザー、アラン・ブラウン氏は「突然 のユーロ離脱は金融パニックと市場の一斉売りを引き起こす可能性が大 いにある」と話す。シティのロンドン在勤チーフエコノミスト、ウィレ ム・ブイター氏はそのような事態を防ぐことが不可欠だとして、より規 模の大きい分裂となれば、そのコストは「膨大」だと指摘した。同氏は 先週、13年末までにギリシャが離脱する確率を75%と想定し、従来 の50%から引き上げている。

ユーロ圏以外の世界の中央銀行も行動を迫られる可能性がある。日 本銀行は既に11日に、緊急時には保有外貨資産を活用して金融機関に対 し外貨流動性の供給を実施する方針を明らかにした。スウェーデン中央 銀行のヤンソン副総裁が同日述べたところによると、欧州の中央銀行当 局者らもこれまでに、ギリシャのユーロ圏離脱の可能性とその影響への 対処について議論している。

原題:Schaeuble Dares Greek Euro Exit as Contingency Plans Crafted (1)(抜粋)

--取材協力:Rebecca Christie、Kim McLaughlin、Emma Ross-Thomas.

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