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NY外為(11日):ユーロ反落、ギリシャ政局の懸念続く

ニューヨーク外国為替市場ではユー ロが対ドルで反落し、一時3カ月ぶり安値に下げた。週間ベースでは2 週連続安。ギリシャの新政権樹立へ向けた交渉難航を背景に、同国がユ ーロ圏離脱を余儀なくされるとの懸念が高まっている。

全ギリシャ社会主義運動(PASOK)のベニゼロス党首による連 立政権樹立の試みが11日も不調に終わったことを受け、ユーロ売りが広 がった。同党首は明日パプリアス大統領に組閣の責務を返上する。ドル と円は主要16通貨中で最も上げが大きい。JPモルガン・チェースは前 日、想定外の20億ドルのトレーディング損失を被ったと発表。比較的安 全とされる通貨が買い求められた。一方オーストラリア・ドルをはじめ とする高利回り通貨は下落。中国の工業生産と小売売上高の伸びが予想 を下回ったことが手掛かり。

ソシエテ・ジェネラルの法人為替営業ディレクター、カール・フォ チェスキ氏(ニューヨーク在勤)は「市場はソブリン債危機の成り行き を見つめ、取引のタイミングを計ろうとするだろう」とし、「連立政権 が発足するのか、どういった主張が展開されるのか、再選挙の可能性は あるのか。市場がこういったことに考えを巡らす限り、ユーロは軟調に 推移するだろう」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時23分現在、ユーロはドルに対して前日 比0.1%安の1ユーロ=1.2919ドル。一時1.2905ドルと、1月23日以来 の安値を付けた。この日のユーロは対円で0.2%下げて1ユーロ=103 円20銭。一時、0.4%安まで下げる場面もあった。ドルは円に対してほ ぼ変わらずの1ドル=79円90銭。

円は朝方、一部主要通貨に対する上げを失う場面が見られた。米消 費者信頼感指数が予想を上回り、より高利回りの資産を求める動きが高 まったことが背景にある。

ギリシャ政局混迷

ノルウェー・クローネは円に対してほぼ変わらず。一時は0.6%安 を付ける場面も見られた。ブラジル・レアルは対ドルで0.1%高。一時 は0.5%下落していた。

5月のトムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数(速 報値)は77.8と、前月の76.4から上昇。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミスト予想の中央値は76.0だった。

ギリシャでは今月6日の総選挙で新政権が決まらず政局が行き詰ま るにつれ、来月にも再選挙が実施される可能性が高まった。これに伴い 救済措置の条件である緊縮財政の実施が危ぶまれている。

ベニゼロス党首は、パプリアス大統領の下で協議は続くとし、ギリ シャのユーロ圏残留を確実にする連立政権が求められていることが総選 挙で明確になったと強調した。

中国の景気減速

ラボバンク・インターナショナル(ロンドン)のシニア為替ストラ テジスト、ジェーン・フォリー氏は「ユーロ圏には大きな不確実性が残 されており、ギリシャは依然としてこれまでになくユーロ離脱に近い位 置にある」と指摘した。

欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会は11日発表した経済 見通しで、17カ国から成るユーロ圏経済が今年0.3%のマイナス成長と なるとの2月時点の予想を据え置いた。ギリシャの成長率は今年マイナ ス4.7%と域内で最大の落ち込みとなる見通し。スペインとイタリアも それぞれ1.8%と1.4%のマイナス成長となり、ポルトガル経済は3.3% 縮小すると予想されている。

オーストラリア・ドルはこの日、大方の主要取引通貨に対して下 落。中国経済の減速を背景に、資源輸出の需要が減るとの懸念が高まっ た。

中国国家統計局が11日発表した4月の工業生産は前年同月比9.3% 増。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想は12.2%だった。中国 の4月の小売売上高は前年同月比14.1%増加した。ブルームバーグが調 査したエコノミスト予想は15.1%増だった。

原題:Euro Weakens for Second Week on Concern Greece Could Exit Union(抜粋)

--取材協力:大塚美佳、Ron Harui.

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