フランスの起業家が国外脱出検討、富に否定的な国民感情台頭

プライベート・エクイティ(PE) マーケティング・サービス会社TBGキャピタル・アドバイザーズの創 業者、ジェレミー・ルフェブル氏(30)は今年、パリからシンガポール への転居を計画している。

ルフェブル氏によると、オランド仏次期大統領の増税公約が理由で はなく、オランド氏の当選が物語るフランスでの富に対する見方が原因 だという。

同氏はインタビューで、「私に出国を促したのは、大統領選の間に 浮上した野心や成功を拒否する価値観に、自分は共感できないという事 実だ」と語った。

世界で5番目に裕福な国であるフランスには、高級ブランドの LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンのベルナール・アルノー最高 経営責任者(CEO)など世界屈指の富豪も居住しているが、同国は裕 福さを称賛しない。かつて「金持ちは好きではない」と発言したことも あるオランド次期大統領は、年収100万ユーロ(約1億300万円)超の富 裕層に対する所得税率を75%にする計画で、金持ちは名誉にはならない というフランスの国民感情を裏付けている。

ルフェブル氏は「オランド氏は、金持ち非難を通じて特定の価値観 を伝えるための象徴として、75%の税率を利用している」と指摘した。

オランド次期仏大統領の富や金融に対する発言を踏まえ、フランス では出国を検討する人も出てきているが、他の欧州諸国はこうした人々 を歓迎している。ロンドンのジョンソン市長は1月にフランス語でロン ドンへようこそと語っており、スイスやベルギーでも温かい反応だ。

物件探しは既にスタート

ベルギーの首都ブリュッセルの不動産仲介人、ジュリアン・ベルク マンズ氏は、6日の仏大統領選決選投票でオランド氏が現職のサルコジ 大統領に勝利した後にフランス国民からブリュッセル市内の物件購入に ついて照会する電話を5件受けたという。

不動産仲介会社ナイト・フランクによると、オランド氏が今年の大 統領選で富裕層増税を発表したのをきっかけに、ロンドンのサウスケン ジントンやチェルシーといった高級住宅街で住宅を探すフランスからの 問い合わせは3割増加したという。

原題:Entrepreneurs in France Flee From Hollande’s Rejection of Wealth(抜粋)

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