ギリシャ、挙国一致内閣へ動き-ベニゼロス氏主導で協議へ

ギリシャ総選挙後の主要政党による 連立協議が5日目に入る。選挙で第3党となった全ギリシャ社会主義運 動(PASOK)のベニゼロス党首は再選挙を回避するため、挙国一致 内閣の提案に同意するよう各党への働き掛けを行う。

大統領から10日に組閣の要請を受けたベニゼロス党首は、民主左派 のクベリス党首がギリシャのユーロ圏残留を目指す提案を示したことを 歓迎し、6日の総選挙後初めての「良い兆し」が表れたと発言。クベリ ス党首との会談後記者団に対し、「われわれの考えは非常に近い。大統 領が仲介する交渉局面の地ならしを行う努力を続ける」と語った。

ギリシャでは連立協議の行き詰まりを受けて、来月にも再選挙を行 わざるを得ないとの観測が高まり、救済条件である緊縮策の実施が危ぶ まれる事態となっており、同国のユーロ圏離脱懸念に拍車が掛かった。

クベリス党首率いる民主左派は議会定数300に占める議席数が19の 少数政党。同党首は、救済の条件である緊縮策の段階的な解除に向けた 交渉を目標に掲げる挙国一致内閣を、2014年までの期限付きで発足させ ることを提案し、全ての政党に支持を呼び掛けた。

第1党の新民主主義党(ND)の組閣失敗を受けて、救済合意に反 対する第2党・急進左派連合(SYRIZA)のツィプラス党首が連立 工作に着手。欧州連合(EU)主導の支援策への支持撤回が入閣の条件 だと各党に最後通告を行ったが、同意は得られなかった。

民主左派もSYRIZA批判

民主左派は10日、SYRIZAのツィプラス党首が再選挙を実施せ ざるを得ない状況にギリシャを追い込もうしており、救済合意の破棄を 執拗(しつよう)に主張することでギリシャをユーロ離脱の危険にさら していると批判した。

ロンドンのユーラシア・グループのアナリスト、ウォルファンゴ・ ピコリ氏は「再選挙は全ての政党にとって重大なリスクを伴う。支持が さらに弱まる可能性のあるPASOKやNDだけでなく、不安要因が支 持を損なう恐れがあることを考えると、SYRIZAとっても同様だ」 と警告する。

ギリシャ選挙制度では、大統領が第1党から第3党までの党首3人 に順に組閣を要請する。各政党の交渉期限は3日間。3党の連立交渉が いずれも不調に終わった場合、憲法の規定では大統領が挙国一致内閣樹 立を仲介するが、これでもまとまらなければ再選挙となる。

救済資金は維持

ギリシャへの救済資金のフローは、差し当たり維持されている。ユ ーロ圏の暫定的な済基金である欧州金融安定ファシリティー (EFSF)は9日、ギリシャ向けの融資52ユーロ(約5360億円)につ いて、42億ユーロを直ちに供与する一方、残り10億ユーロは、ギリシャ の資金ニーズに応じて6月末までに実行することを確認した。

欧州金融安定ファシリティー(EFSF)のクラウス・レグリング 最高経営責任者(CEO)は10日、ウィーンで「ギリシャが合意済みの 条件を履行し続ける限り、ユーロ圏はギリシャを今後も支援することを 固く決心していると思う」と述べた。ギリシャ救済の条件では、新政府 は来月中に110億ユーロに上る削減計画の詳細を提示する必要がある。

原題:Greece Strives for Government After Election Raises Euro Doubts(抜粋)

--取材協力:Tom Stoukas、Jonathan Stearns、Antonis Galanopoulos、Eleni Chrepa、Jana Randow、Zoe Schneeweiss、Boris Groendahl.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE