コンテンツにスキップする

日経平均3カ月ぶり9000円割れ、米銀や中国警戒-ソニー急落

東京株式相場は3日続落し、日経 平均株価は終値で約3カ月ぶりに9000円を下回った。米銀JPモルガ ン・チェースが多額の損失を計上したことが分かり、米国株先物が時 間外取引で下げたため、日本時間今夜の米国株安に警戒感が浮上。ま た、物価指数の伸び率鈍化で中国経済の減速傾向も嫌気された。

今期業績計画の市場予想未達が嫌気されたソニー、今期営業減益 予想のテルモがともに急落し、日経平均の下落寄与度上位。業種別で は証券や銀行など金融、海運や鉄鋼、その他製品が安い。

日経平均株価の終値は前日比56円34銭(0.6%)安の8953円31 銭と2月10日以来の安値水準。TOPIXは同7.04ポイント(0.9%) 安の758.38と同1日以来の安値となった。両指数とも小高く始まった ものの、買いは続かず、午後はじりじりと下げた。

明治安田アセットマネジメントの植草博幸トレーディング部長は、 決算発表を受け個別銘柄が選別されており、「買われる銘柄と売られる ものの2極化が進んでいる」と指摘。ソニー、パナソニック、任天堂 がそろって52週安値を更新したことは、当該銘柄だけの下げにとどま らず、「市場参加者の心理にネガティブ」に作用したと言う。

JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO) は10日、自社のリスクヘッジなどを担当する部門の失敗により、デリ バティブ(金融派生商品)の一種であるシンセティック・クレジット 証券関連で約20億ドル(約1600億円)の損失を同行が被ったことを 明らかにした。これを受け、JPモルガン株は時間外取引で急落。シ カゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)の米S&P500種株価 指数先物は日本時間きょうの取引で、基準価格に対し安く推移した。

中国CPIは伸び鈍化

日本時間午前10時半に中国の国家統計局が発表した4月の消費 者物価指数(CPI)は、前年同月比3.4%上昇と前月から伸びが鈍 化した。3月は3.6%上昇だった。りそな銀行アセットマネジメント 部の黒瀬浩一チーフ・ストラテジストは、「中国の統計から判断すると 実体経済はさえない。金融緩和を早くという期待は強いが、一方で不 動産の規制を緩めるわけにはいかない」と指摘した。

こうした中、東証1部33業種ではその他製品、証券・商品先物取 引、海運、パルプ・紙、建設、鉄鋼、保険、銀行など29業種が下落。 証券、銀行など金融は米国動向が影響し、海運や鉄鋼は中国への警戒 が株価押し下げの一因になった。

個別では、2013年3月期純損益予想は300億円の黒字と、市場の 事前予想の約半分にとどまったソニーが52週安値を更新。国内での薬 価・公定価の改定が響き、今期営業利益計画は前期比4.8%減に落ち 込む見通しのテルモも急落。近畿車両、トクヤマなど今期利益の低迷 予想銘柄は下落率上位に並んだ。

輸出関連は終日堅調、日立やニコン寄与

輸出関連株の一角は堅調で、業種別ではゴム製品、輸送用機器、 精密機器、機械の4業種が高い。電力システムやデジタルメディア・ 民生機器事業の改善で、13年3月期の連結営業利益は前期比16%増の 4800億円を見込んだ日立製作所が上昇。今期の増収増益と増配計画を 示したニコンは、日経平均の上昇寄与度1位だった。11日付の日本経 済新聞朝刊で、家電量販大手のビックカメラが同業のコジマを買収す ると報じられ、経営効率化観測でコジマは急騰。

東証1部の売買高は概算で19億9668万株、売買代金は1兆2328 億円。下落銘柄数は1415、上昇は198。きょうの取引開始時は、株価 指数オプション5月限の特別清算値(SQ)が算出され、日経225型 で9019円35銭と前日終値を9円70銭上回った。国内新興市場では、 ジャスダック指数が前日比1.1%安の51.36、東証マザーズ指数は

3.3%安の352.68とともに反落。マザーズ指数は52週安値を付けた。

--取材協力:野原良明 Editor:Shintaro Inkyo

参考画面: 記事についての記者への問い合わせ先: 東京 河野敏 Satoshi Kawano +81-3-3201-2483 skawano1@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net 香港 Nick Gentle +852-2977-6545 ngentle2@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE