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米国株:S&P500種、2カ月ぶり安値-JPモルガン損失で

米株式相場は下落。S&P500種株 価指数は2カ月ぶり安値となった。消費者マインド指数の上昇がプラス 材料となったものの、JPモルガン・チェースの20億ドルの取引損失に 反応し銀行株が大きく下げたことが響いた。

S&P500種全体のうち15%を占める金融株は1.2%安と、業種別10 指数の中で最大の下げ。JPモルガンは9.3%下げた。ジェイミー・ダ イモン最高経営責任者(CEO)は、同行が致命的なミスを犯したとし た上で、その取引損失は「自ら招いたものだ」と語った。JPモルガン 株の売買高は2億1600万株超と、2008年に付けた従来の最多記録を更 新。銀行株ではバンク・オブ・アメリカ(BOA)やシティグループも 売られた。

S&P500種株価指数は前日比0.3%安の1353.39。週間ベースでは 2週続落となり、下落率は3.6%となった。ダウ工業株30種平均はこの 日34.44ドル(0.3%)下げて12820.60ドル。

マーケットフィールド・アセット・マネジメント(ニューヨーク) のマイケル・ショール会長は、「JPモルガンにとっては大打撃だ」と し、「大手行でも順調な方だと考えられていた。規制をめぐる議論はす でに進んでいる。ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は抵 抗しづらい状況になるだろう。JPモルガンの立場は弱くなる」と続け た。

ダイモンCEOは10日、アナリストとの電話会合で、イナ・ドルー 最高投資責任者(CIO)率いるチーフ・インベストメント・オフィス (CIO)部門がシンセティック・クレジット証券で誤ったポジション を取ったと説明。同証券は依然価格変動が大きく、4-6月(第2四半 期)か7-9月(第3四半期)に10億ドルの追加損失が発生する可能性 があると述べた。5月の米消費者マインド指数は4年ぶりの高水準とな ったものの、金融業界をめぐる懸念がそれを打ち消した。

銀行株

JPモルガンは9.3%安の36.96ドル。このほかシティグループ は4.2%下げて29.35ドル。BOAは2%下落の7.55ドル。モルガン・ス タンレーは4.2%安の14.95ドル。ゴールドマン・サックス・グループ は3.9%安の102.13ドルとなった。

銀行による自己勘定取引の規制強化を唱える米議員や利益団体は、 JPモルガンが巨額損失を出したことについて、規制強化の正当性を裏 付けるものだと主張している。銀行のリスクテーク制限を目指すボルカ ー・ルールの共同作成者であるレビン米上院議員は10日、JPモルガ ン・チェースの今回の損失開示は、金融規制改革法(ドッド・フランク 法)に基づく自己勘定取引禁止ルールの策定作業に携わる当局者らに同 ルールの必要性を「強く再認識させた」と指摘した。

マット・オコナー氏らドイツ銀行のニューヨーク在勤アナリスト は、リポートで「規制および政治的な環境はすでに向かい風となってお り、今回の損失がプラスに働くことはもちろんない」と指摘した。また バンク・オブ・アメリカ(BOA)のアナリスト、ガイ・モスコウスキ ー氏は別のリポートで、JPモルガンの損失は規制強化を求める人には 「自己勘定取引の危険性を示す一例」としてとらえられると記した。

金融株の動き

S&P500種の金融株は年初以降では14%上げており、業種別10指 数の中では依然最大の上昇率となっている。

銀行業界の先行き懸念や欧州債務危機の影響でS&P500種は今 週1.2%下落した。

グリーンウッド・キャピタルのウォルター・トッド最高投資責任者 (CIO)は、JPモルガンについて、「20億ドルの損失を出すのにふ さわしい時期などあるはずもないが、さまざまな不確実要素が存在する 今の状況でのこの損失は特にひどい」と指摘した。

原題:S&P 500 Falls to Two-Month Low as Banks Tumble on JPMorgan Loss(抜粋)

--取材協力:Noah Buhayar、Hugh Son、Andrew Frye、Jody Shenn、Dawn Kopecki、Michael J. Moore、Lynn Thomasson、Alexis Xydias.

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