NY外為:ユーロが反発、ギリシャ融資実施で懸念和らぐ

ニューヨーク外国為替市場では、ユ ーロがドルに対して3カ月ぶり安値から反発。欧州金融安定ファシリテ ィー(EFSF)がギリシャ向け融資の一部支払い完了を確認したほ か、新政権樹立へ向けて進展があったとの当局者の発言を受け、同国の ユーロ離脱懸念が和らいだ。

ユーロは前日まで8営業日続落し過去最長の連続安に並んでいた が、この日は上昇に転じた。欧州委員会関係者がギリシャの資金「ニー ズが満たされた」と発言したことが背景。全ギリシャ社会主義運動 (PASOK)のベニゼロス党首は連立政権樹立を目指す同国の試みで 初めて「良い兆し」が見られたとの認識を示した。一方、米新規失業申 請件数の減少を受けリスク意欲が盛り返し、高利回り通貨は買いを集め た。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの為替ストラテジスト、マーク・ マコーミック氏(ニューヨーク在勤)は「ギリシャは金融支援の一部支 払いを受け、来週返済期限を迎える債務がデフォルトになる懸念が和ら いだ」と解説。「ただユーロの下げ圧力は続く。ギリシャの不透明感は 依然として晴れず、どのような新政権が発足するか見えないままだ」と 述べた。

ニューヨーク時間午後4時11分現在、ユーロはドルに対して前日 比0.1%高の1ユーロ=1.2946ドル。前日は一時、1月23日以来の安値 となる1.2912ドルを付けていた。この日のユーロは円に対して0.6%高 の1ユーロ=103円55銭。前日は一時102円76銭と、2月16日以来の安値 を付ける場面も見られた。円はこの日、対ドルで0.4%下げて1ドル =79円99銭。

下げ過ぎから反転を示唆

ユーロの相対力指数(RSI、期間10日)は前日、24.3に低下。こ の日は30.7と、ユーロが最近の下げから反転する可能性が示された。指 数が30を下回ると、通貨が売られ過ぎており、調整を迎える可能性を示 唆する。

ウエストパックのシニア為替ストラテジスト、リチャード・フラヌ ロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は「市場は先走り過ぎていた」と指 摘。「週末はギリシャを震源に大揺れし、ユーロに対しては極めて積極 的にショートが建てられた。ただニュースの消化が進むにつれ、そうし た動きは見直されるものだ」と述べた。

ブラジル・レアルは主要通貨の中で上げが著しく、ドルに対して 1%高の1.9501レアル。ニュージーランド(NZ)ドルは0.2%高の1 NZドル=78.58米セント。

米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は、前週から1000件減少して36万7000件。ブルームバーグ・ニュースが まとめたエコノミスト予想の中央値は36万8000件だった。

ギリシャ混迷

EFSFは9日、ギリシャ向け支援で予定されていた52億ユーロの 融資のうち42億ユーロを直ちに支払うと発表。欧州委員会のベイリー報 道官は発表後にブリュッセルで記者団に対し、「この支払いでギリシャ は機能し続けることができる」と語った。EFSFは残る10億ユーロは ギリシャ財政の必要性に応じて実行されるとした。

ギリシャではこの日、民主左派のクベリス党首がユーロ圏と欧州連 合(EU)残留に取り組む統一政権を樹立する案を打ち出した。一方、 同提案では統一政権は緊縮措置の段階的な「解消」を交渉するとしてい る。

ベニゼロス党首はクベリス氏との会談後、記者団に対し「われわれ の見解は非常に似ている」と話した。

ギリシャ国債相場は8日続落。ドイツ連邦銀行(中央銀行)前総裁 でスイスの銀行UBSの会長、アクセル・ウェーバー氏がロンドンの会 議で、ギリシャのハードなデフォルトのリスクは「まだ無くなったわけ ではない」と発言したことが響いた。同氏はさらに、スペインの問題は 「イタリアに波及する危険性が非常に高い」と指摘した。

イングランド銀行

英ポンドは対ドルで上昇。イングランド銀行(英中央銀行)が資産 買い取りプログラムの規模を3250億ポンドで据え置き、量的緩和をいっ たん停止したことが手掛かり。英ポンドはドルに対して前日比0.2%高 の1ポンド=1.6160ドル。一時、0.2%安に下げる場面も見られた。ユ ーロに対してはほぼ変わらずの1ユーロ=80.15ペンス。

原題:Euro Rises From Three-Month Low on Easing of Greece Debt Crisis(抜粋)

--取材協力:Gabi Thesing、Johan Carlstrom、Allison Bennett.

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