債券は下落、高値警戒や株下げ渋りで売り優勢-長期金利0.8%台後半

債券相場は下落。朝方はギリシャ 政局混迷などを受けて上昇した米国債相場の流れを引き継いで買いが 先行した。しかし、長期金利が1年7カ月ぶり水準まで低下して、高 値警戒感が強まる中、株価の下げ渋りなどから売りが優勢となった。

三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、「午前は日経平 均株価が9000円割れとなったが、午後に入って持ち直したことが重し。 足元の金利低下が速かったこともあり、調整の売りが出た。まだ金利 低下余地はあると思うが、一足飛びに進むわけではない」と話した。

東京先物市場で中心限月6月物は、取引開始直後に前日比7銭高 い143円36銭まで上昇。中心限月の日中ベースで2月14日以来の高 値を付けた。しかし、その後は下げに転じ、午後に入ると下げ幅を拡 大し、一時は19銭安まで下落した。結局は14銭安の143円15銭とき ょうの安値圏で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の322回債利回り は前日比横ばいの0.85%で始まり、午前は同水準で推移した。午後に 入ると徐々に水準を切り上げ、4時前には2ベーシスポイント(bp)高 い0.87%に上昇。4営業日ぶり高水準を付けた。前日は2010年10月 12日以来の低水準となる0.845%まで下げていた。

5年物の103回債利回りは1bp高い0.255%。20年物の135回債 利回りは0.5bp低い1.64%に下げていたが、午後に水準を切り上げ、

0.5bp高い1.65%に上昇。30年物の36回債利回りは1bp高い1.82%。 40年物の4回債利回りは0.5bp高い1.98%。

一段の金利低下には材料不足

みずほ証券の早乙女輝美債券ストラテジストは、「きのう新発10 年債利回りが一時0.845%と10年10月以来の低水準を付けたことか ら高値警戒感もあり、動きづらい。10年には米量的緩和第2弾(QE 2)後に金利が急反発したことも意識される。一段の金利低下を追う には材料不足だろう」と話していた。

長期金利の低下にいったん達成感が出ていたもよう。シティグル ープ証券の道家映二チーフJGBストラテジストは、「ターゲットに置 いていた0.85%に到達。ここまでの動きはおおむね想定通りで、目先 は新発10年国債利回りで0.85%中心のレンジ相場を想定する」と指 摘。その上で、「現行の金利水準での買いは見送り、押し目を待つ」と の見方を示した。

三井住友銀の宇野氏は、「株価が8500円近辺に下げたり、為替が 1ドル=79円割れといった外部環境の追い風が加われば、金利低下の 動きになると思うが、きょうはそういう動きにはなっていない」と話 した。日経平均は0.4%安の9009円65銭。円は1ドル=79円台後半。

ギリシャ政局混迷

朝方は買いが優勢だった。トヨタアセットマネジメントの浜崎優 チーフストラテジストは「ギリシャの政局懸念やスペインの金融機関 問題などからリスク回避の動きが強まる中、需給も良好」と話した。

9日の米債相場は上昇。同日午後実施の10年債入札(規模240 億ドル)で最高落札利回りが過去最低を記録した。ギリシャで連立政 権の樹立が難航しており、比較的安全な米国債への需要が高まった。 米10年債利回りは前日比2bp低下の1.82%。一方、米株相場は続落。 S&P500種株価指数数は0.7%安の1354.58。

ギリシャでは連立政権樹立に向けた協議の行き詰まりが解消され ず、政局混乱は継続する見通しとなった。来月にも再選挙の実施を余 儀なくされる可能性が高まっている。

こうした中、日本銀行の白井さゆり審議委員は10日午後、秋田市 内で会見し、日銀の長期国債の購入がかなりの規模に達し、長期金利 が低下していることについて、日本の金融システム全体に影響を与え る可能性があるとの認識を示した。

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