米国株:ダウ平均が6日続落、ギリシャの政局混乱で危機懸念

米株式市場ではダウ工業株30種平均 が6営業日続落と、昨年8月以降で最長の連続安となった。ギリシャで 連立政権樹立に向けた協議が行き詰まり、同国の債務危機悪化の懸念が 強まっている。

ただ欧州金融安定ファシリティー(EFSF)がギリシャ向け融資 の次回分を支払うと発表したことを手掛かりに下げ幅を縮小した。この 日下げが目立ったのはゼネラル・エレクトリック(GE)とJPモルガ ン・チェース。百貨店のメーシーズは、通期の利益見通しが市場予想に 届かなかったことを嫌気し下落。一方、ウォルト・ディズニーは上場来 高値に上昇。決算で利益が21%増となったことが好感された。

S&P500種株価指数は前日比0.7%安の1354.58。ダウ工業株30種 平均は97.03ドル(0.8%)下げて12835.06ドル。ダウ平均の6日続落 は、8月2日以降で最長。

パイオニア・インベストメンツの運用担当者、ジョン・キャリー氏 (ボストン在勤)は「ギリシャでは緊張状態が続いている」とし、「欧 州での選挙は、救済策を見直す可能性を広げた。そうした状況を分析す るのは難しく、不透明感は常に投資家を当惑させる」と続けた。

ギリシャでは連立政権樹立に向けた協議の行き詰まりが解消され ず、政局混乱は継続する見通しとなった。こうした状況を受け、欧州で はギリシャによる救済条件の実行に対する懸念が再び高まっている。ギ リシャ議会は救済支持と緊縮反対で2分され、ベルリンやブリュッセル からは軌道から外れないよう求める声が聞かれる中、債務危機の震源で あるギリシャは再びユーロ離脱のリスクにさらされている。

支援52億ユーロ

ユーロ圏の暫定的な救済基金であるEFSFの取締役会は、394億 ユーロのギリシャ支援のうち52億ユーロを6月末までに支払うことを確 認した。これに反応し、相場は下げを縮小した。

また一部では、S&P500種が下値支持線である1350付近で推移し たことから下げを縮めたとの見方もある。オークブルック・インベスト メンツのピーター・ジャンコブスキス氏は欧州で前向きな進展が見られ れば、株価は再び上昇する可能性があると指摘。米国で市場予想を上回 る企業決算が続く中、S&P500種は年初以降7.7%上昇している。

オークブルックで約29億ドル相当の資産運用に携わる同氏は電話イ ンタビューで、「企業決算は引き続き好調だ」とし、「米国株に対して 強気になる根拠がある」と続けた。

ボラティリティ高まる

欧州債務危機の懸念から、S&P500種は5月に入り3.1%下落。業 種別10指数はこの日全てが下げた。米国株オプションの指標であるシカ ゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX) は5.4%上げて20.08と、4月10日以来の高水準となった。

ダウ輸送株平均は1.4%安。GEは1.8%下げて18.91ドル。KBW 銀行指数は1.6%下落。JPモルガンは1.8%安の40.64ドルだった。

米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは今月、銀 行100行余りの格付け引き下げを開始する。対象行は資金調達コストが 押し上げられ、融資抑制を余儀なくされる恐れがあり、経済成長にとっ ても脅威となる。

ムーディーズの2月の発表によると、フランス最大の銀行BNPパ リバや独最大手のドイツ銀行、米モルガン・スタンレーなどの短期・長 期の債務格付けが、各行にとっての過去最低レベルに引き下げられる可 能性がある。

メーシーズは3.7%安の38.05ドル。ディズニーは1.6%高の45.02ド ルで、ダウ平均で値上がり率最大となった。

原題:Dow Falls 6th Day in Longest Slump Since August on Greek Impasse(抜粋)

--取材協力:Adam Haigh、Tom Stoukas、Liam Vaughan、David Wilson.

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