米国債:10年債落札利回りが過去最低、ギリシャ政局混迷で

9日の米国債市場では、午後に実施 された10年債入札(規模240億ドル)で最高落札利回りが過去最低を記 録した。ギリシャで連立政権の樹立が難航しており、比較的安全だとさ れる米国債の需要が高まった。

最高落札利回りは1.855%。これまでの最低記録は1月の1.9%だっ た。米国債は朝方上昇する場面もあったが、ギリシャ救済に関する当局 者の話が伝わると、上げを削った。当局者によると、ユーロ圏の救済基 金である欧州金融安定ファシリティー(EFSF)は次回分のギリシャ への支払いを実施する。米財務省は10日に30年債の入札(規模160億ド ル)を実施する。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「欧州の不透明感が根 強く、国債への強気な見方が広がる中で売りを出すのは難しい」と述 べ、「市場は一段の供給に備えており、利回りレンジは底を探る展開に なりそうだ」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後4時8分現在、既発10年債の利回りは前日比1ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)下げて1.83%。同年債(表面利率2%、2022 年2月償還)価格は101 1/2。利回りは1月31日以来の低水準とな る1.79%をつける場面もあった。30年債利回りはほぼ変わらず の3.03%。

入札結果

米財務省が実施した10年債入札直前の市場予想は1.853%だった。 投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.90倍と、昨年11月以来の最低。 過去10回の平均値は3.11倍だった。

ジェフリーズ・グループの政府債エコノミスト、トーマス・サイモ ンズ氏(ニューヨーク在勤)は「平均的な入札だったが、利回り水準を 考えると、全般的に非常に良かった」と指摘。「欧州をめぐる懸念が市 場での不透明感を強めている。世界経済のリスクが下振れ方向にあるた め、これほどの低利回りでもまだ米国債への需要がある」と述べた。

間接入札の落札全体に占める割合は38.7%。過去10回の入札の平均 は41.9%だった。プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー) 以外の直接入札の比率は15.9%。過去10回の平均は14.5%。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、 年初来の米国債リターンは0.6%。昨年は欧州の金融危機が深刻化した ことを背景に9.8%だった。

ギリシャの政局混迷

ギリシャでは連立政権樹立に向けた協議の行き詰まりが解消せず、 政局混迷が続いている。来月にも再選挙の実施を余儀なくされる可能性 が高まっている。

全ギリシャ社会主義運動(PASOK)のベニゼロス党首は、10日 にパプリアス大統領から3日間の政権樹立の責務を得た後、組閣への試 みを継続する意向を表明した。PASOKは9日、急進左派連合 (SYRIZA)のツィプラス党首が提示した政権樹立の条件を拒否。 SYRIZAはこれを受け、連立政権樹立の試みを断念した。

米連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミストが開発した金融モ デルに基づくタームプレミアム(期間に伴う上乗せ利回り)は、マイナ ス0.78%。2月2日には評価価値としては最も割高な水準となるマイナ ス0.79%を記録している。マイナスのタームプレミアムは適正水準を下 回る利回りでも投資家が積極的に国債を受け入れていることを意味す る。

原題:U.S. 10-Year Notes Sell at Record Low Yield Amid Greek Debate(抜粋)

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