日本株反落、ギリシャ政局混迷とユーロ安嫌気-日銀効果分を帳消し

東京株式相場は反落。ギリシャで連 立政権樹立に向けた交渉が難航し、同国の再建プロセス後退の可能性 も警戒される中、資源や素材関連、金融、不動産といった景気敏感業 種が総じて売られた。対ユーロを中心とした円高進行が嫌気され、機 械など輸出関連株も安い。

TOPIXの終値は前日比10.74ポイント(1.4%)安の765.83、 日経平均株価は同136円59銭(1.5%)安の9045円6銭。日経平均は、 当面の下値めどとされた200日移動平均線(9058円)を約3カ月ぶり に割り込み、日本銀行が追加金融緩和策を決めた2月14日以降の上昇 分を帳消しにした。

りそな銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネジャーは足元の日 本株について、「ギリシャでの混乱をきっかけに為替が再びじりじりと 円高方向に動いていることのネガティブ要因が大きい」との見方を示 した。欧州との貿易が多い中国経済への悪影響に対する警戒感もある ほか、国内企業の今期業績計画も期待されていたほど良くなく、「海外 投資家の利食い対象になりやすい」と言う。

救済賛成と反対の間で票が割れた6日のギリシャ総選挙の結果、 1300億ユーロ規模の第2次救済の条件を同国が満たす可能性に不透 明感が生じている。総選挙で第2党となり、新政権の樹立交渉で主役 となった急進左派連合のアレクシス・ツィプラス党首は8日、第1党 の新民主主義党のサマラス党首と第3党の全ギリシャ社会主義運動 (PASOK)のベニゼロス党首に対し、欧州連合(EU)に先に提 出した緊縮実行約束の書面は無効だ、と伝える書簡を送るよう求めた。

支援継続への疑念、欧米株安の流れ

ツィプラス党首が3日以内に連立をまとめられない場合、PAS OKに3日間の交渉が委ねられ、その後は大統領が仲介、それでも政 権ができない場合は再選挙となる。SMBC日興証券株式調査部の西 広市部長は、連立の枠組みが早期に決まらないと、EUや国際通貨基 金(IMF)による支援継続などに疑念が出てくるため、「欧州債務問 題の解決が遠のくとの懸念」があるとしていた。

水戸証券の須田恭通投資情報部長は、日本株もギリシャ警戒によ る「欧米株下落の影響に引きずられている」と指摘。そろそろギリシ ャ離れしてもいいが、「リスクオフの流れがなかなか止まらない」と話 した。8日のストックス欧州600指数は前日比1.7%安、米S&P500 種株価指数は0.4%安だった。

東証1部33業種の下落率上位は不動産、鉱業、保険、証券・商品 先物取引、機械、金属製品、石油石炭製品、非鉄金属、海運など。空 運とゴム製品を除く31業種が安い。機械をはじめとした輸出関連の下 げは、為替市場でユーロ売りが優勢となり、日本時間9日午後に1ユ ーロ=103円40銭まで円高・ユーロ安へと振れたことも影響した。

NTTデやコマツの下げ目立つ

個別では、今期営業利益見通しがアナリスト予想平均に届かなか ったNTTデータが大幅反落。野村証券が油圧ショベルの中国需要の 厳しさを指摘したコマツも安い。「コンプリートガチャ」と呼ばれる携 帯電話ゲームでの商法に対する規制観測を背景に、ディー・エヌ・エ ーとグリーは3日続落。

半面、発行済み株式総数の7.4%に当たる自社株買い実施方針な どを示した味の素が大幅続伸。今期の連結最終損益が500億円台の黒 字に浮上する見通し、と9日付の日本経済新聞朝刊で報じられたパナ ソニックも高く、前期の利益水準が計画から上振れた東洋ゴム工業は、 午前11時の決算発表後に急伸し、東証1部の上昇率トップだった。

東証1部の売買高は概算で18億204万株、売買代金は1兆1941 億円。騰落銘柄数は下落1478、上昇は152。国内新興市場では、ジャ スダック指数が前日比0.8%安の51.82と3日続落、東証マザーズ指 数は3.1%安の357.44と反落した。

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