野村HD、米州投資銀部門の上級幹部17年までに約3倍に増員

野村ホールディングスは米州投資銀 行部門の上級管理職の人数をほぼ3倍に拡大する計画だ。競合他社が事 業を縮小しているため、業容拡大の好機と判断した。同部門責任者のジ ェームズ・デノート氏がブルームバーグのインタビューで語った。

デノート氏によると、同部門では3-5年以内にマネジングディレ クターおよびエグゼクティブディレクターを現在の38人から100人程度 に増やす見通しだ。

同氏(49)は野村が「世界でトップ10に入り、アジアに主軸を置く数 少ない金融機関の1つになることを目指す」と指摘、「良好で質の高い 手数料が集まる事業セクターに特化するつもりだ」と述べた。

2009年3月に900人だった野村の米従業員数は今年2350人に増え た。デノート氏によると、野村は上級幹部を増員し、米州からの投資銀 行収入で10億ドル(約800億円)を目指す。実現した場合、手数料収入 で上位10行に入ることになる。一方、バンク・オブ・アメリカ( BOA)や仏ソシエテ・ジェネラルといった競合企業は合併・買収 (M&A)などの仲介事業やトレーディングの停滞を背景に人員を削減 している。

デノート氏は「今後数年間は米投資銀行業務にとっては非常に有利 な市場環境になるとみている」と分析。「業績の良好な企業は合併や部 門統合、利益率の改善を検討し始めている。一方、まだバランスシート 問題に苦慮している企業は、資金調達や借り換えに積極的だ」と述べ た。

欧州部門縮小

米州部門は投資銀行と債券・株式トレーディング事業から成るグロ ーバル・ホールセール部門の1-3月(第4四半期)収益合計(金融費 用控除後)のうち27%に当たる434億円を稼ぎ出し、同社が2009年4月 に米国事業構築に着手して以来、米州ホールセール部門としては最も好 調な四半期となった。

米州での拡大計画とは対照的に、欧州では事業縮小を進めている。 欧州部門は経営破綻したリーマン・ブラザーズ・ホールディングスの事 業買収後、赤字となっており、4月27日の説明資料によると、同社は欧 州の人員を昨年9月末以降478人削減、今年3月末時点で4014人とし た。

クレディ・スイス証券の山中威人アナリストは、野村HDが世界の 番付で順位を上げたいのなら米国事業の拡大は不可欠だとの見方を示 し、他の金融機関が人員削減を進めているだけに野村HDが優秀なバン カーを採用するのは容易になりつつあると付け加えた。

ランキング

今年に入ってからの世界のM&Aアドバイザーランキングで野村は 第9位。米国企業に絡んだ案件ベースでは21位となっている。

米州株式責任者シアラン・オケリー氏は、野村が域内の調査とセー ルス、トレーディングでシェアを伸ばすことができると述べた。ただ市 場シェアの具体的な数値目標はないことも明らかにした。

オケリー氏はインタビューで「当社が強みを持っている分野を選ん でいきたい」と述べ、「野村でのわれわれの尺度は、単なる規模ではな く、顧客と収益性や関連性だ」と指摘した。

原題:Nomura to Triple Leaders in Americas Investment Banking by 2017(抜粋)

--取材協力:Steven Crabill.

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