民主・大塚氏:日銀審議委員人事に事前審査を-インタビュー

民主党の「円高・デフレ対策特別チ ーム」座長代行の大塚耕平参院議員は、日本銀行の審議委員を選ぶ国会 同意人事について「候補者の考え方やキャリアを検討するプロセスが十 分ではない」とし、採決前に事前審査を実施する必要性を訴えた。7日 に行ったブルームバーグ・ニュースのインタビューで語った。

大塚氏は「日銀審議委員は国会同意人事の中でも極めて重要なポス ト。今のやり方では政府が候補者を提示すれば与党が拒否するのは難し い。野党も十分検討する機会が必要だ」と指摘。その上で、①政府によ る国会提示前に与野党が候補者の意見を聞く場を確保する②政府提示後 に国会で候補者の意見を聞いて判断する-などの具体策を挙げた。

日銀審議委員人事については、政府が先月国会に提示した、中村清 次前委員の後任にBNPパリバ証券のチーフエコノミスト、河野龍太郎 氏を充てる人事案が自民、公明など野党各党の反対で不同意となった。 中村氏と同時に任期が切れた亀崎英敏前委員の後任も、政府が提示を見 送っており、2委員が空席のまま再提示の見通しは立っていない。

河野氏に対しては民主党内でも「金融緩和に慎重だ」として、同意 に否定的な意見も強かった。大塚氏は事前審査の実現可能性については 「まだ分からない」としながらも、「これらのプロセスを求める声は高 まっている。少なくとも与党内で行い、与党が反対ということはあり得 ないというやり方にすべきだ」と説明した。

日銀会合の全会一致「おかしい」

大塚氏は、河野氏の人事案否決については人物・能力的には非常に 残念としながらも、「金融緩和に積極的ではない立場を明確にしたと受 け止められ、多くの国会議員から問題視されたこと自体は問題ではな い」とも指摘。その上で、審議委員には「自らの考えと理論的裏付けを 主張できる人」が望ましいとし、「そうでない人を急いで選ぶのなら、 空席のままでも構わない」と語った。

日銀出身でもある大塚氏は、金融緩和に慎重な審議委員候補の擁立 に対し「野党だけでなく、与党の一部からも批判が出ることを日銀は重 く受け止めるべきだ」と強調。政策決定の在り方についても「デフレ脱 却のための処方箋(せん)について議論が二分され、論争が行われてい るなかで、日銀の金融政策決定会合が全会一致ということ自体がおかし い」と問題提起した。

大塚氏は先月11日の特別チームで、4人の日銀審議委員と党議員の 意見交換を行いたいとの考えを表明した。「引き続き検討事項だ」とし ながらも、「事務方との意見交換は密接に行っているが、事務方が審議 委員の考え方を代弁するのはおかしい。審議委員はもっと議会や公党の 会合に積極的に出て意見を述べるべきだ」とその趣旨を説明した。

マイナス金利も選択肢に

日銀は先月27日の金融政策決定会合で、追加緩和策を決定したが、 市場は円高・株安の相場基調が続いている。大塚氏は資産買い入れ等基 金の国債以外の資産を買い増したことや、対象国債の買い入れ期間を延 長したことなどを評価。一方で、同10日の会合での緩和を見送ったこと でマイナスの影響を与えたとし、「金融政策はタイミングも重要という ことがあらためて認識される展開だ」と述べた。

日銀はこれまで成長基盤強化を支援するための資金供給や株価指数 連動型上場投資信託(ETF)、不動産上場投信(J-REIT)の購 入を決めるなど、「非伝統的」な金融政策の領域に踏み込んだ。大塚氏 は「金融政策が限界的状況にあるなかで、金融政策の本質は、市場や経 済主体に与える心理的影響が問われている」とし、市場の心理や期待を 踏まえた手段の重要性を指摘した。

また、残された金融政策の一例として課税や手数料の徴収による 「マイナス金利」の導入を挙げた。「中央銀行が『もうやる事はない』 と言えば存在価値はない」と言う大塚氏は「頭の体操だが、実体的に各 金融機関の貸出競争を後押しした窓口指導と似た効果を発揮する可能性 がある。預金準備率を絡めた仕組みをつくるなど工夫の余地がないわけ ではない」と述べた。

日銀は今年2月14日の会合で、消費者物価(CPI)の前年比上昇 率1%を目指す物価安定の「めど」を設定するとともに、資産買い入れ 等基金を「55兆円」から「65兆円」に拡大する追加緩和に踏み切り、市 場が好感した。先月27日の会合では、基金の長期国債購入を10兆円増や し、対象国債の残存期間を「1-3年」に延長。ETFやJ-REIT の購入も増額した。

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