NY外為:ユーロは対ドルで7日続落、ギリシャの連立難航で

ニューヨーク外国為替市場では、ユ ーロがドルに対して7営業日続落。週末に総選挙が実施されたギリシャ で組閣が難航し、同国のユーロ圏離脱の恐れが強まっていることが背景 にある。

ユーロは対ドルで2008年9月以来最長の下落局面。ドイツのメルケ ル首相は経済成長の底上げを図るための財政出動を否定しており、フラ ンス次期大統領に当選したフランソワ・オランド氏との衝突が懸念され ている。英ポンドはドルに対して下落。4月の英住宅価格指標が低下し たことを手掛かりに売られた。オーストラリア・ドルも値下がり。同国 の貿易赤字拡大が響いた。

ウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、ヴァシーリ・セレブリ アコフ氏(ニューヨーク在勤)は「ギリシャが総選挙後の新内閣樹立で 行き詰っていることは心配だ。特に一部の政党から出てくるユーロに関 する表現は気になる」と指摘。「今はまぎれもなくリスクオフの環境と なっている」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時29分現在、ユーロはドルに対して前日 比0.3%安の1ユーロ=1.3007ドル。前日は一時1.2955ドルと、1月25 日以来の安値を付ける場面も見られた。この日は円に対して0.4%安の 1ユーロ=103円85銭。前日は103円24銭と2月16日以来の安値に下げる 場面もあった。円はこの日、対ドルで0.1%高の1ドル=79円82銭。

ギリシャ政局

この日の米株式市場ではS&P500種株価指数が前日比0.4%安で引 けた。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物6月限は5日 続落。ギリシャ株の指標であるアテネ総合指数は前日比3.6%安 の620.54で終了。1992年11月以来の安値となった。

ギリシャ総選挙で第2党となった急進左翼連合(SYRIZA)の アレクシス・ツィプラス党首は、同国のパプリアス大統領から組閣の責 務を引き継いだのに伴い、左派政党による連立政権の樹立を目指すと表 明。国際的金融支援の条件である緊縮措置を支持してきた新民主主義党 (ND)と全ギリシャ社会主義運動(PASOK)とは協力関係を結ぶ つもりがないことを明らかにした。

同党首はNDとPASOKに対し、9日の連立協議の前までに、緊 縮実行に関する約束を無効とする旨を書面に記しておくよう求めた。

「落ち着きを失っている」

ツィプラス党首はまた、左派政党による連立政権が発足した場合、 銀行を国有化するほか、雇用改革を撤回し、直ちに救済条件を取り消す 意向であると述べた。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループの為替ストラ テジスト、ブライアン・キム氏(コネティカット州スタンフォード在 勤)は、「連立政権を樹立させる役割を担う政治家が、債務返済にモラ トリアム(支払猶予)がある、また救済措置は必ずしも実施が固まって いない等という見方を示したため、市場参加者はやや落ち着きを失って いる」と解説。「市場に影が差しており、地合いは一段と複雑で下向き になっている」と述べた。

一方、ヘッジファンドのFXコンセプツ(ニューヨーク)の創業 者、ジョン・テーラー氏は8日、ブルームバーグテレビジョンとのイン タビューで、ギリシャのユーロ離脱について「この夏の公算が極めて大 きいと思う」と述べた。「欧州はギリシャに資金を出さない。国際通貨 基金(IMF)は融資を認めない。6月に資金が尽きるだろう」と語っ た。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ユーロは過去半年間で4%低下。ドルは同期間中に2.8%上昇 した。円は0.2%安となっている。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル・インデックスは、2010年6月以来最長となる7営業日連続の上昇。 この日は0.3%上昇し79.835だった。

原題:Euro Weakens for 7th Day as Greece Struggles to Form Government(抜粋)

--取材協力:Mariko Ishikawa.

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