ユーロ下落、ギリシャ政局の不透明感で-ドル・円は80円付近

東京外国為替市場では、ユーロが対 ドルで1ユーロ=1.30ドル台前半で、上値の重い展開となった。ギリシ ャの政局に先行き不透明感が生じる中、国際支援の条件となっている緊 縮財政の実現が不安視されていることから、ユーロ売り圧力が根強い。

ユーロ・ドル相場は前日の取引で一時1.2955ドルと、1月25日以来 の安値を更新。海外市場では1.30ドル台を回復し、日本時間の朝に は1.3066ドルまで値を戻したものの、1.30ドル台前半に水準を切り下 げ、午後には1.3011ドルまで一段安となった。

大和証券投資情報部担当部長の亀岡裕次氏は、ギリシャ情勢につい ては、連立政権の行方がはっきりせず、再選挙の可能性もあり、「いず れにしても時間がしばらくかかる」と説明。さらに、財政協定に関し て、フランスとドイツの対立も意識されるとし、ドイツ側の譲歩など具 体的なものが出てこない限りは、「純粋なユーロ買いの動きは出にく い」と言う。

ユーロ・円相場は前日に1ユーロ=103円24銭と、2月16日以来の ユーロ安値を付けたあと、104円45銭まで値を戻したが、東京市場の取 引終盤には103円87銭まで売られている。

一方、前日に一時1ドル=79円65銭と、4営業日ぶりの水準までド ル安・円高が進んだドル・円相場は、午前に80円08銭まで値を戻した。 午後にかけては80円ちょうどを挟んだ水準で取引されていたが、取引終 盤に79円83銭まで円が買われた。

ギリシャ情勢に不透明感

6日に実施されたギリシャの総選挙では、緊縮財政を支持する主要 2政党の議席数が過半数割れとなり、第1党となった新民主主義党 (ND)のサマラス党首が連立政権の樹立を目指したが、失敗。連立工 作は第2党の急進左派連合(SYRIZA)に委ねられたが、緊縮財政 には反対の姿勢を示しており、国際支援獲得をめぐる懸念が残りそう だ。

三菱東京UFJ銀行米州金融市場部マーケティンググループの村尾 典昭マネジングディレクター(ニューヨーク在勤)は、ギリシャ情勢は 引き続き「リスクファクター」になると指摘。その上で、「ユーロの下 値不安が完全に消えたかというとそうでもないし、ユーロのみならず、 ネガティブな欧州情勢を完全に消化しきってない」と説明している。

ドイツのメルケル首相は7日、ベルリンで記者団に対し、欧州の新 たな財政協定の再交渉に反対する考えをあらためて表明。「われわれが この全部の再交渉が可能だと考え始めれば、ギリシャがやって来て、ト ロイカとの包括的な合意の再交渉を行いたいと言ってくるだろう。他の 救済プログラムの対象国も追随する公算が大きい」と発言している。

大和証の亀岡氏は、ドイツはとりあえず、けん制球を投げて、そん なに簡単に歩み寄らないという姿勢を示しているが、ドイツにとって も、ユーロ圏の成長が望ましいと指摘。「金融支援の条件として、財政 緊縮を迫ってきたが、結果的に、景気を悪くしたわけで、緊縮策を強く やり過ぎたという反省もそれなりにあるのではないか」と言い、いずれ はある程度妥協する可能性があるとみている。

--取材協力:小宮弘子, 大塚美佳 Editors: 青木 勝, 持田譲二

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