米国株:S&P500種は約1カ月ぶり低水準-ギリシャ懸念で

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米株式相場は下落。S&P500種株 価指数は終値ベースで約1カ月ぶりの低水準となった。ギリシャで連立 政権樹立に向けた交渉が難航していることから、同国のユーロ離脱や欧 州債務危機の深刻化をめぐる懸念が高まった。

ただS&P500種は下値支持線である1350を下回った後、下げを縮 めた。この日下げが目立ったのはヒューレット・パッカード(HP)と バンク・オブ・アメリカ(BOA)。マクドナルドも安い。4月の既存 店売上高がアナリスト予想に届かなかった。腕時計メーカーのフォッシ ルは急落。通期見通しの下方修正が嫌気された。

S&P500種株価指数は前日比0.4%安の1363.72。一時1.6%安とな ったが、取引終了前の1時間で下げを縮めた。ダウ工業株30種平均 は76.44ドル(0.6%)下落し12932.09ドルと、5営業日続落となった。

ヘイバーフォード・トラストのハンク・スミス最高投資責任者 (CIO)は「相場に影響を与えているのは欧州をめぐる不透明感だ」 と指摘。「ギリシャがユーロ圏から離脱した場合、影響は広がるだろう か。世界全体に負の影響をもたらす恐れがある。欧州は経済成長に焦点 を絞り始める必要がある」と述べた。

ギリシャでは政権樹立に向けた政党間協議が2日目に入った。国際 支援の条件破棄を求める急進左派連合(SYRIZA)のアレクシス・ ツィプラス党首はこの日、連立政権樹立の責務を委ねられた。総選挙で 第1党となった新民主主義党(ND)のサマラス党首は前日、連立協議 で合意できなかった。

ユーロ離脱の公算

欧州債務危機をめぐる懸念から、S&P500種は5月に入り2.5%下 落。シカゴのカストディー(証券管理)銀行、ノーザン・トラストのジ ェームズ・マクドナルド最高投資ストラテジストは、欧州の状況は改善 する前に「悪化」する可能性があると指摘。またヘッジファンド、FX コンセプツの創業者ジョン・テーラー氏は、ギリシャは政府の手元資金 が底を突き、欧州からの追加融資もないことから、来月にもユーロ圏を 離脱する公算があると述べた。

同氏は8日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、ギ リシャのユーロ離脱について「この夏の公算が極めて大きいと思う」と 述べた。「欧州はギリシャに資金を出さない。国際通貨基金(IMF) は融資を認めない。6月に資金が尽きるだろう」と語った。

S&P500種は、午前中に15分ほど1350を下回る水準で推移した 後、下落幅を縮めた。マーケットフィールド・アセット・マネジメント (ニューヨーク)のマイケル・ショール会長は、市場がこの水準に支持 線を見いだしたと指摘する。

「押し目買い」

ショール会長は、「その水準がサポートされた時点で、安心感のあ る銘柄を中心に押し目買いの動きが見られた」と述べた。

S&P500種の業種別10指数では8指数が下落。選択消費関連や金 融、商品の下げが目立った。一方、経済成長との関連性の比較的薄い公 益やヘルスケア関連は上昇した。HPは2.3%安の23.32ドルで、ダウ平 均では値下がり率最大。BOAは2.1%安の7.79ドル。

マクドナルドは2.1%安の93.55ドル。4月の既存店売上高は前年同 月比3.3%増加したが、アナリスト予想には及ばなかった。米国での売 り上げ減速が響いた。

フォッシルは38%安の78.52ドルと、S&P500種で最大の下落とな った。

原題:S&P 500 Declines to One-Month Low Amid Greece Political Concern(抜粋)

--取材協力:Peter Levring、Brian Womack、John Detrixhe、Sarah Frier、Lee Spears.

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