底堅いユーロ:最悪期は過ぎた公算も-避難先の利下げで買いも

ユーロ相場は、欧州が経済的・政治 的混乱に見舞われる中で予想外に底堅く、メルトダウンを予想している 弱気派を当惑させつつある。

ブルームバーグの集計データによれば、ユーロは他の主要9カ国の 通貨に対して1月16日の年初来安値水準から1%余り上昇。一方、ドル は2.3%下げた。先物市場のトレーダーは、ユーロの対ドル下落予想を 後退させている。オプション市場でもユーロに対する弱気見通しが減っ たことが示されている。

スペインとギリシャ、イタリア、ポルトガルがリセッション(景気 後退)に陥った上に、フランスでは域内に緊縮策への反発が広がる中で サルコジ大統領が現職として30年ぶりに再選を逃した。こうした中でユ ーロは、1999年の導入以降の対ドル相場の平均水準を8%余り上回って 取引されている。欧州の混乱は避難先と見なされていたオーストラリア やスウェーデンなど他地域の経済にも波及しており、これら域外国の利 下げや通貨安につながっている。

米最大の公的年金基金、カリフォルニア州職員退職年金基金(カル パース)の通貨・世界債券担当マネーマネジャー、エリック・ブゼイ氏 は4月30日の電話取材で、「ユーロはかなり持ちこたえている」と指 摘。「複数の国の中央銀行が利下げする状況で、こうした国々の通貨に 強気でいる大きな理由はないことは明らかだ」と述べた。

相場見通し

ユーロは先週、1ユーロ=1.3084ドルと週間ベースで1.3%下げ た。円に対しては、1ユーロ=104円49銭と週間で1.8%安だった。1999 年1月のユーロ導入以降の対ドル相場は、平均で1ユーロ=約1.20ド ル。過去2年間では、1.1877ドル(2010年6月)から1.4940ドル(11年 5月)で推移している。

ストラテジストらは最悪期は過ぎた可能性があると指摘する。ブル ームバーグがまとめた市場関係者46人の予想中央値によれば、ユーロの 対ドル相場は年末までに1.30ドルの見通し。別の調査では、対円で は106円への上昇が予想されている。

ソシエテ・ジェネラルの為替調査責任者、キット・ジャックス氏 (ロンドン在勤)は1日の電話取材に対し、「世界の状況が弱まる中 で、政策金利を引き下げられる国々は利下げし、その国の通貨は下落す る可能性がある」と指摘。これに対して、欧州は割高ではない通貨を持 つ経済であり、利下げの余地や志向がそれほど大きくないと付け加え た。

原題:Euro Strengthens as Recession Contagion Eliminating Aussie Haven(抜粋)

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