【今週の債券】長期金利0.8%台で低下余地探る、米景気懸念や好需給で

今週の債券市場で長期金利は0.8% 台で低下余地を探る展開が見込まれている。1年半ぶり低水準となり、 債券相場に高値警戒感が出ているものの、米国景気の先行き懸念や需 給環境の良さから引き続き金利低下圧力がかかりやすいことが背景。

長期金利の指標となる新発10年債利回りについて、ブルームバー グ・ニュースが2日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは、 全体で0.85-0.94%。下限は1、2日に付けた2010年10月20日以 来の低水準0.875%を下回る予想となった。前週末の終値は0.885%。

前週の長期金利は、日本銀行が4月末の金融政策決定会合で追加 緩和を決めたことなどを受けた投資家の買いが継続し、1年半ぶり低 水準まで達した。岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は 今週も「日銀の追加緩和で買い入れが続く短い年限がアンカーとなっ て、需給面から相場全体を下支えする可能性が高い」と予想する。

米雇用回復ペースの鈍化や欧州債務問題も引き続き国内債相場の 支えとなる見込み。前週末の米債市場では、4月の米雇用統計で非農 業部門雇用者数が市場予想を下回ったことから買いが優勢となり、米 10年国債利回りは3カ月ぶり水準まで下げた。6日投開票のフランス 大統領選挙では、社会党のフランソワ・オランド前第一書記が現職の サルコジ大統領に勝利した。オランド氏勝利について、JPモルガン・ アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は「欧州問題にはネ ガティブ要因で債券にはポジティブ」とみる。6日のギリシャ総選挙 では有権者は救済合意に反対する政党に多くの票を投じた。

10年債入札、利率低下でも需要

8日に10年利付国債(5月発行)の入札が実施される。足元の金 利低下で新発債の表面利率(クーポン)が引き下げられる見込みだが、 良好な需給環境を背景に波乱なく通過できるとの見方が出ている。ト ヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジストは「クーポ ンが0.9%と低水準でもキャリー(金利収入)を確保するため期初の ポートフォリオ作りの需要で順調に消化するだろう」と言う。

今回の10年入札について、前回入札された10年物の321回債利 回りは2日に0.885%で終えおり、クーポンは前回債より0.1ポイン ト低い0.9%が見込まれている。発行額は2兆3000億円程度。一方、 10日には流動性供給入札が行われる。発行額は3000億円程度。

2日夕までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通 り。先物は6月物、10年国債利回りは新発の321回債。

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

先物6月物142円60銭-143円40銭

10年国債利回り=0.86%-0.94%

「欧州債務問題に対しては強気になれず、長期金利は0.8%台半 ばを試す展開か。10年債入札は、株価が戻して、景気に楽観的な見方 が出れば、やや低調な結果となる可能性がある。しかし、欧州危機が 深刻化し、景気は楽観できないという見通しが強まれば、0.9%クーポ ンでも波乱なく通過できるとみている」

◎岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長

先物6月物142円50銭-143円30銭

10年国債利回り=0.85%-0.93%

「長期金利は0.9%近辺での推移を見込む。市場の地合いからは 金利低下にバイアスがかかりやすいが、水準的には手放しで買い進み にくい。10年債入札では、クーポンが久しぶりに1%の大台を下回り そうなことにも警戒感がある。欧州の財政問題が根強くくすぶるよう だと、内外の金利安定が維持されそうだ」

◎トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジスト

先物6月物142円50銭-143円25銭

10年国債利回り=0.86%-0.93%

「方向感が出にくく、高値圏でのもみ合い。長期金利で見て0.9% 割れの水準を買うには警戒感があるものの、5月は季節的に相場が崩 れにくい。世界経済は欧州を除いてそれほど悪くならないとみている が、政治的リスクを抱えた欧州債務問題が不安要素を引きずるため、 債券利回りはどうしても低くなりがちだ」

--取材協力:池田祐美、赤間信行、船曳三郎 Editors:山中英典、 青木勝

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