米国債(3日):方向感欠く、10年債利回りは2%未満が続く

米国債相場は方向感に欠ける展 開。10年債利回りは15日連続で2%を下回り、過去約3カ月で最長の低 利回り局面となっている。3日発表された経済統計は景気回復の加速を 裏付けるには不十分と見なされた。

国債はもみ合い相場となった。新規失業保険申請件数が減少した一 方で、非製造業総合景況指数が低下したことが背景。欧州中央銀行 (ECB)が政策金利を1%で据え置いたことを受け、ドイツ債利回り は前日に続き過去最低付近で推移した。明日発表の4月米雇用統計につ いて、ブルームバーグの調査では非農業部門の雇用者数は16万人増加が 見込まれている。失業率は8.2%で横ばいの見通し。

RWプレスプリッチの政府・機関債取引担当マネジングディレクタ ー、ラリー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は、「最近の弱含み の傾向が本物かどうか、市場は明日の雇用統計で見極めようと待ち構え ている」と発言。「市場参加者はあまり楽観的ではない。不透明感が晴 れるのを待ち、様子見の姿勢を取る者が多い」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比ほぼ変わらずの1.93%。2%を下 回る水準で推移した日数としては、1月19日以降で最長となっている。 利回りは前日、2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)低 下した。4月27日には一時1.88%と、2月3日以来の低水準を付けてい た。

米供給管理協会(ISM)が発表した4月の非製造業総合景況指数 は53.5と、前月の56から低下した。ブルームバーグがまとめたエコノミ スト予想の中央値は55.3だった。同指数では50がサービス業活動の拡大 と縮小の境目を示す。

「傾向とは呼べない」

米国債相場は朝方に一時下落した。米労働省が発表した先週の新規 失業保険申請件数(季節調整済み)が、前週から2万7000件減少して36 万5000件となったことが手掛かり。ブルームバーグ・ニュースがまとめ たエコノミスト予想の中央値は37万9000件だった。前週は39万2000件 (速報値38万8000件)に修正された。

SEIインベストメンツで80億ドルの資産運用に携わるショーン・ シムコ氏は、「欧州では依然として逆風が強い。リセッション(景気後 退)に陥っている国もある。米国では軟調な統計が出ており、失業保険 申請件数がやや予想を上回る改善を示したからと言って、統計1本では 傾向とは呼べない」と指摘。「米国債相場が反転することはない」と述 べた。

10年債利回りは前日、1.90%に下げる場面も見られた。ADPエン プロイヤー・サービシズが発表した4月の米民間部門の雇用者数が市場 予想を下回る伸びにとどまったことを受け、逃避買いが膨らんだ。ドイ ツ同年債は1.60%まで低下し、過去最低を記録した。

国債買い入れ

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「景気回復ペースをめ ぐる期待を変えさせるほどの好材料はおそらく出ないだろう」とし、 「回復ペースをめぐる不安は第2四半期を通じて払しょくされることは ないだろう」と述べた。

米連邦準備制度が3日公表したところでは、プライマリーディーラ ー(政府証券公認ディーラー)21社は、4月26日終了週に206億ドル相 当の米国債をバランスシートに追加。保有額は26%増の合計998億ドル に達し、1063億ドル相当を保有していた2月12日以来の高い水準となっ ている。

ニューヨーク連銀はこの日、残存期間が長めの国債を購入し期間が 短い国債を同額売却する借り入れコスト抑制プログラムの一環として、 償還期限が2036年2月から2042年2月までの米国債18億3300万ドルを購 入した。

原題:Treasury 10-Year Yields Remain Under 2% on Tepid Economic Growth(抜粋)

--取材協力:Emma Charlton.

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