ECB総裁:景気見通しに下振れリスク、不透明感増した

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総 裁は3日、現行の政策金利は依然として緩和的だとの認識を示した。最 近のデータが見通しを曇らせる中でも、ECBは年内の緩やかな景気回 復の見通しを維持しているという。

同総裁はバルセロナでの政策委員会後の記者会見で、最新の指標は 「景気が年内に段階的に回復するというわれわれの基本シナリオを変更 させるのに十分ではない」と述べた。ECBはこの日、政策金利を過去 最低の1%に据え置いた

政策委員会は「金利の特定の動きについて議論しなかったが、一般 的な金融政策姿勢については協議した。一段と不透明になっているが、 現時点の景気見通しに照らして現行政策は緩和的だと判断した」と説明 した。

財政赤字削減に向けた緊縮財政がオランダやスペインをリセッショ ン(景気後退)に押し戻したものの、昨年以来1兆ユーロ余りを金融シ ステムに注入したECBは、一段の景気刺激措置には慎重なようだ。ド ラギ総裁は危機対策を政府に求めた。

「ユーロ圏の各国間の相違に対処するのは政府の仕事だ」とした上 で「ECBの金融政策姿勢は、ユーロ圏全体に照準を当てたものでなけ ればならない。ECBの第一の目標は依然、中期的な物価安定の維持 だ」と語った。

インフレ見通しへのリスク均衡

インフレ率については、年内はECBが上限と見なす2%を上回っ て推移し2013年に低下するとの見通しを示した。「今後数年のインフレ 率見通しへのリスクはおおむね均衡していると引き続き考えている」と 述べた。先月の会見ではインフレ見通しへの短期的な上振れリスクに言 及していた。

マークイット・エコノミクスがまとめたユーロ圏の製造業活動を示 す指数は1、2月に若干上昇したが4月には約3年ぶりの低水準に落ち 込んだ。指数は9カ月連続の活動縮小を示している。また、ユーロ圏の 失業率は3月に10.9%と約15年で最悪を記録した。

ECBは6月に最新の景気予想を公表する。3月には2012年のユー ロ圏成長率見通しをマイナス0.1%と、従来のプラス0.3%から下方修正 している。インフレ率予想は2.4%と2%から引き上げた。

ドラギ総裁は「1-3月には経済活動の低水準での安定化が見られ た」とした上で、「最新の調査の指標は不透明感の広がりを示してい る。来月にはより明瞭な判断ができるだろう」と語った。

「いかなる出口戦略も依然、時期尚早だ」と述べ、ECBの緊急措 置については当面継続することを示唆した。

総裁は、オペでの応札額全額供給に関してECBから6月に発表が あることも明らかにした。同中銀は昨年10月、この措置を少なくとも今 年の4-6月(第2四半期)末ごろまで継続するとしていた。

--取材協力:Joseph de Weck、Jana Randow.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE