米国債:上昇、弱い米欧統計受けて安全資産買い

米国債相場は上昇。10年債利回り は1.90%に接近した。ユーロ圏で4月の製造業活動が縮小したほか、米 ADP民間雇用者数が市場予想を下回り、安全資産の需要を下支えし た。

米財務省は2日発表した四半期定例入札の資料で、政府債入札とし ては初となる変動利付債やマイナス金利の国債発行について後日決定す る意向を示した。来週8日から3日間にわたる入札で、3年債を320億 ドル、10年債は240億ドル、30年債は160億ドルそれぞれ発行する。2010 年11月以降、定例入札では毎回同額の国債が発行されている。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャステ ィン・レデラー氏(ニューヨーク在勤)は、「足元の統計を見れば、道 が険しくなるのは確実だ」とし、「夜間に買い注文が集まった」と述べ た。ドイツ国債と米国債は共に上昇した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後3時49分現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01ポイント)低下して1.92%。同年債(表面利率2%、2022 年2月償還)価格は7/32上昇の100 23/32。10年債利回りは4月27日に 一時1.88%と、2月3日以来の低水準を付けていた。

ADPエンプロイヤー・サービシズがこの日発表した給与名簿に基 づく集計調査によると、4月の米民間部門の雇用者数は前月比で11 万9000人の伸びにとどまった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト の予想中央値は17万人の増加だった。

変動利付債

米財務省は変動利付債の発行について、利点が見られるとした上 で、「後日」判断するとの意向を示した。

ライトソンICAP(ニュージャージー州ジャージーシティー) は、償還を迎え再投資に回せる米国債は計367億ドルに上り、入札で新 たに353億ドルの資金が調達されると予測している。

マークイット・エコノミクスが2日に発表した4月のユーロ圏製造 業景気指数の改定値は45.9と、3月の47.7を下回り、2年10カ月ぶりの 低水準となった。同指数は50が活動拡大と縮小の分かれ目。

また、独連邦雇用庁(FLO)が2日発表した4月の雇用統計によ ると、失業者数は季節調整済みで前月比1万9000人増の287万人。ブル ームバーグ・ニュースがエコノミスト34人を対象にまとめた調査では、 中央値で1万人の減少が見込まれていた。

「軟調な統計」

シティグループの先物グループの金利ストラテジスト、ジェーム ズ・コリンズ氏(シカゴ在勤)は、「軟調な統計が重なりつつある」と 指摘。「欧州での発表も手掛かりになった。利回りは低下傾向にある」 と述べた。

2日の欧州債市場ではドイツ債が上昇。利回りは2年債で一 時0.066%、10年債は1.60%まで低下し、いずれも過去最低を記録し た。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、 昨年はユーロ圏の金融危機が安全資産の需要を押し上げ、米国債 は9.8%のリターンを上げた。今年は年初来でほぼ横ばいとなってい る。

残存期間が長めの国債を4000億ドル購入し期間が短い国債を同額売 却する借り入れコスト抑制プログラムの一環として、ニュ-ヨーク連銀 はこの日、償還期限が2014年1月から2015年4月までのインフレ連動債 (TIPS)13億4000万ドルを売却した。

原題:Treasury Yields Near 3-Month Low on European Slowdown, Jobs Data(抜粋)

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