米国市民権はいらない-スイスでパスポート返上の資産家急増

米国人資産家が相次いで米国の市民 権を返上している。富裕層資産管理で名高いスイスの銀行UBSに務め ていたブラッドレー・バーケンフェルド受刑者の内部告発を発端に脱税 取り締まりが強化された4年間で、米国のパスポートを返上する申請は 7倍増えた。

ジュネーブのオーバーシーズ・アメリカン・アカデミーの書記官、 アンディ・サンドバーグ氏によると、海外在住の米国市民1780人が昨 年、米大使館で市民権を放棄する手続きをした。2008年には235人だっ た。同氏は米連邦広報の数字を引用した。

スイスの首都ベルンの米大使館はパスポート返上を希望する米国民 への対応が追いつかず、人員を再雇用したという。

米国は経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で唯一、海外在住 の国民から税金を徴収する。米政府はスイスなどオフショアセンターで の脱税取り締まりを強化している。

外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)による資産報告義 務強化に伴い、世界で600万人と概算される海外在住米国民は米国のパ スポートを保持することの損得を考え始めている。スイスやドイツの銀 行が米国民との取引で厳しい情報公開基準に直面していることもある。

アナフォード(チューリヒ)の米税務専門弁護士、マシュー・レド ビナ氏は、「UBSの件で、米国外の銀行は海外在住の米国民との取引 はリスクが高過ぎると感じるようになった」と説明した。

スイス・米国商工会議所責任者のマルタン・ナビーユ氏は、スイス ではUBSの件などで米国の監視が特に厳しいと思われることからパス ポートを返上する米国民が特に多いと話した。

原題:Wealthy Americans Queue to Give Up Passports in Swiss Capital(抜粋)

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