5月1日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドルが上昇、米製造業景況指数の上昇で景気懸念が後退

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが円に対し10週ぶり安値から 上昇。4月の米製造業景況指数が予想外に上昇したことで、景気回復の 勢いが弱まりつつあるとの懸念が和らいだほか、金融当局が追加刺激策 を導入するとの見方が後退した。

ドルは対ユーロでも約1カ月ぶり安値から値上がり。英国やスペイ ンではここ1週間に発表された経済指標でリセッション(景気後退)入 りが示され、米国と欧州の経済情勢の乖離(かいり)が浮き彫りとなっ ている。オーストラリア・ドルは主要通貨全てに対して値下がり。豪準 備銀行(中央銀行)が市場予想を超える大幅な利下げを実施したことが 手掛かり。ポンドも下落。英国の製造業指数の低下が嫌気された。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のシニア為 替ストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏(ニューヨーク在勤) は「この動きは、経済情勢の改善を受けて追加量的緩和の可能性が大き く低下した事実を反映しているのかもしれない」と分析した。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは円に対し前日比0.3%高の 1ドル=80円09銭。欧州時間には一時79円64銭と、2月21日以来のドル 安・円高水準を付けていた。対ユーロではほぼ変わらずの1ユーロ =1.3237ドル。一時0.3%安の1.3284ドルを付けたほか、0.3%高となる 場面もあった。ユーロは円に対し0.3%上昇の1ユーロ=106円02銭。

この日の西欧市場は英国とアイルランド、デンマークを除き、メー デーの祝日で休場となっている。アジアも大半の市場が祝日で休場だっ た。

ドル指数

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は一時0.1%高の78.977。その後は上げ幅を縮め、78.815。

米供給管理協会(ISM)が発表した4月の製造業総合景況指数 は54.8と、前月の53.4から上昇した。ブルームバーグがまとめたエコノ ミスト予想の中央値は53だった。同指数で50はサービス業活動の拡大と 縮小の境目を示す。

ドルは円に対し、一時の下げから反転した。ISM製造業景況指数 を受け、米金融当局が追加の量的緩和を実施するとの見方が後退した。

メキシコ・ペソは主要16通貨中で最大の上げ。カナダ・ドルも米 ISM製造業景況指数を受けて値上がり。メキシコ、カナダ両国にとっ て米国は最大の貿易相手国。

シティグループのG10通貨戦略責任者、グレッグ・アンダーソン氏 は電話インタビューで、「通常、米経済の前向きな展開はカナダ・ドル にプラスとなる」と指摘。カナダ・ドルの上昇には「2つの要因が寄与 している。リスク志向の回復と特に北米に対するセンチメントの改善 だ」と述べた。

ペソは0.7%高の1ドル=12.9162ペソ。カナダ・ドルは0.2%高の 1米ドル=0.9854カナダ・ドル。

ポンド

ポンドは対ドルで一時軟化。マークイットと英国購買部協会 (CIPS)の発表によれば、4月の英製造業の生産活動を示す指数 は50.5と、3月の51.9から低下した。

ポンドはほぼ変わらずの1ポンド=1.6221ドル。一時0.3%安 の1.6187ドルを付けた。対ユーロでもほぼ横ばいの1ユーロ=81.61ペ ンス。一時は0.5%安となった。

原題:Dollar Gains as Stronger Manufacturing Improves U.S. Prospects(抜粋)

◎米国株:上昇、ダウ平均は07年12月以来の高値-製造業統計を好感

1日の米国株式相場は上昇。ダウ工業株30種平均は2007年12月以来 の高値に上昇した。米供給管理協会(ISM)が発表した4月の製造業 景況指数が予想外に上昇したことから、米経済に対する楽観が強まっ た。

銀行JPモルガン・チェースと半導体インテル、アルミ生産のアル コアを中心に大型株が上昇した。ダウ輸送株平均も1.1%上げた。百貨 店のシアーズ・ホールディングスは大幅高。暫定決算が好感された。ア ップルが中盤までの上げを失い下落に転じると、米株相場は上げ幅を縮 小した。

S&P500種株価指数は0.6%高の1405.82。4月3日以来の高値だ った。ダウ工業株30種平均は65.69ドル(0.5%)上昇して13279.32ドル だった。

レッグ・メイソンの運用担当者ウェイン・リン氏は「経済の自律回 復が始まりつつある」と述べ、「製造業は先見的だ。もたつく傾向のあ る現実の経済活動を、製造業は先行する。製造業を見ると企業の保守的 な態度が若干緩和したことが分かる。信頼感を再び取り戻しつつある」 と続けた。

S&P500種採用企業の決算発表

米ISM製造業景況指数のほか中国の製造業も拡大を示した。この 日は製造業とともに企業の決算も材料視された。ブルームバーグのまと めたデータによると、4月10日以降に決算を発表したS&P500種採用 企業のうち利益が予想を上回ったのは74%だった。

S&P500種は年初来から12%上昇したものの同株価指数採用企業 の株価収益率(PER)は14.3倍と、1954年以来の平均(16.4倍)を下 回っている。

グリーンスパン前連邦準備制度理事会(FRB)議長は、米国株は 投資妙味のある水準にあり、この先企業利益の拡大とともに株価も上昇 する可能性が高いとの見解を述べた。

米ブラックロックの運用担当者ケビン・レンディーノ氏は、予想以 上に良好な企業決算や経済統計は、米金融当局による追加緩和が今のと ころ必要ないことを示していると話す。

同氏は「量的緩和第3段は今のところ必要ない」と述べ、「自律回 復できる経済が必要だ」と続けた。

シクリカル指数

景気敏感株で構成されるモルガン・スタンレー・シクリカル指数 は1.6%上昇。JPモルガンは1.9%高、インテルとアルコアはそれぞれ 2%と2.5%値上がりした。

シアーズは15%高。同社の2-4月(第1四半期)暫定決算による と、米国とカナダの店舗売却分に伴う利益を含め一部項目を除くベース での利益は最大1億9500万ドルだった。前年同期は赤字だった。

穀物加工最大手アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM) は7.1%上昇。同社の1-3月(第3四半期)決算は、利益が4四半期 ぶりにアナリスト予想を上回った。

S&P500種産業別10指数のうち、エネルギー株価指数が1.4%値上 がりした。構成する44銘柄のうち39銘柄が値上がりした。

この日のアップルは0.3%下落。これで4日連続安となった。

原題:Dow Average Rallies to Highest Since 2007 on Manufacturing Data(抜粋)

◎米国債:反落、10年債利回り上昇に転じる-製造業指数の改善で

米国債相場は反落。10年債利回りは約3カ月ぶり低水準から上昇し た。4月の米製造業景況指数が予想外に上昇したことが手掛かり。

欧州債務危機が深刻化しているとの懸念を背景に、比較的安全とさ れる米国債の需要が高まり、利回りは朝方に低下していたが、統計後に 上昇に転じた。2地区の連銀総裁がこの日、これまでの示唆より早期に 利上げが必要になる可能性に言及。この発言が報じられた後も利回りは 上昇を維持した。今週発表の米雇用統計では前月の雇用者数の増加が見 込まれているものの、失業率は横ばいが予想されている。

BMOキャピタル・マーケッツのマネジングディレクター、ジャス ティン・ホーゲンドーン氏(シカゴ在勤)は製造業景況指数への市場の 反応について、「やや楽観的になっていることが表れている」と指摘。 ただし、「10年債利回りは2%を下回っており、国債市場が景気への楽 観を示していると主張するのは難しい」と付け足した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1b p=0.01ポイント)上昇の1.94%。製造業指数の発表前には一 時、1.90%を割り込む場面も見られた。同年債(表面利率2%、2022年 2月償還)は1/4下げて100 1/2。10年債利回りは4月に月間で30bp低 下。27日には1.88%と、2月3日以来の低水準を付けた。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、 4月の米国債リターンはプラス1.5%と、昨年9月以降で最高だった。

製造業指数

米供給管理協会(ISM)が発表した4月の製造業総合景況指数 は54.8と、前月の53.4から上昇した。ブルームバーグがまとめたエコノ ミスト予想の中央値は53だった。同指数では50がサービス業活動の拡大 と縮小の境目を示す。

4日発表される4月の非農業部門雇用者数は16万1000人の増加が予 想されている。昨年12月から3カ月連続で20万人を超える増加となって いたが、3月は12万人増にとどまった。4月の失業率は前月と同 様8.2%が見込まれている。

オッペンハイマーの米国債トレーディング責任者、アラン・デロー ズ氏(ニューヨーク在勤)は 「景気回復は特に力強いものとはなって いない」とし、「米金融当局は、失業率の低下を伴う経済成長とならな い限り、低金利を維持すると繰り返し表明している」と指摘した。

利上げ時期

リッチモンド連銀のラッカー総裁は、ブルームバーグ・リンクが主 催したブルームバーグ・ワシントン・サミットでインタビューに応じ、 連邦公開市場委員会(FOMC)は恐らく2013年半ばに金利引き上げを 余儀なくされるとの見方を示した。その上で、現時点で追加金融緩和を 実施しても、成長の後押しにはほとんどならず、インフレリスクを増す ことになると指摘した。

同総裁は失業率について「7%を上回ったままの可能性が高く、そ れに備えておくべきだと考えている」とし、「利上げに踏み切る前に失 業率を5%程度まで完全に引き下げねばならないとの考え方は誤りだと 思う」と述べた。

フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は1日、サンディエゴで講 演し、「回復を頓挫させるようなショックが起こらない限り」、2014年 の終わりより「相当前に」金利を引き上げなければならなくなるとの認 識を示した。

前週のFOMC会合後の声明は、少なくとも2014年遅くまでフェデ ラルファンド(FF)金利誘導目標をゼロ近辺に維持することをあらた めて強調した。

ウンダーリッヒ・セキュリティーズのマネジングディレクター兼米 国債トレーディング責任者、マイケル・フランゼーズ氏(ニューヨーク 在勤)は「足元で少しでもインフレの兆候が出てくれば、他の金融当局 者も動揺するだろう」とし、FOMC内で追加の資産購入を支持する声 は弱まると語った。

原題:Treasury Yields Rise From Almost 3-Month Low After Industry Data(抜粋)

◎NY金先物:続落、製造業景況の改善で逃避先としての魅力が薄れる

ニューヨーク金先物相場は続落。米製造業の景況感改善を示す経済 統計で景気先行き観が明るくなり、逃避先としての金の魅力が薄れた。

米供給管理協会(ISM)が発表した4月の製造業総合景況指数 は54.8と、前月の53.4から上昇した。ブルームバーグがまとめたエコノ ミスト予想の中央値は53だった。統計を受けて株式市場ではS&P500 種株価指数が一時1.2%高となった。金は今年に入り6.1%値上がり。欧 州の債務危機悪化で世界経済の成長が脅かされるとの見方が背景にあ る。

アーチャー・フィナンシャル・サービシズの市場ストラテジスト、 アダム・クロフェンシュタイン氏(シカゴ在勤)は「ISMの数字は株 買い再開を急ぐ良い口実になった」と指摘。「金よりも株式に投資家が 傾いている」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物6 月限は前日比0.1%安の1オンス=1662.40ドルで終了。一時は4月13日 以来の高値となる1672.30ドルを付ける場面もあった。

原題:Gold Declines as Manufacturing Gain Erodes Haven Appeal of Metal(抜粋)

◎NY原油:反発、5週間ぶり高値-ISM製造業指数の改善で

ニューヨーク原油先物相場は反発。5週間ぶりの高値をつけた。米 国の製造業景況指数が予想を上回ったことから買いが膨らんだ。

米供給管理協会(ISM)が発表した4月の製造業総合景況指数は 最も楽観的な予想も上回った。イランの核開発問題をめぐる同国と西側 諸国の対立が緩和したことを背景に、原油相場は3月1日につけた直近 高値から4%下げている。

ゴールドマン・サックス(ニューヨーク)のエネルギー調査部門の 責任者、デービッド・グリーリー氏は「ISM指数への相場の反応は、 市場がイラン情勢よりも経済情勢の方をはるかに注目していることを示 している」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物6月限は前日 比1.29ドル(1.23%)高の1バレル=106.16ドルで終了。終値としては 3月27日以来の高値となった。

原題:Oil Rises to Five-Week High on Advance in Manufacturing Index(抜粋)

◎欧州株式市場:休場

◎欧州債券市場:休場

◎英国債市場

1日の英国債市場では、10年債相場がほぼ変わらずとなった。英政 府はこの日の7年債入札で37億5000万ポンド(約4880億円)発行した。

英公債管理局(DMO)によると、2019年3月償還債の平均落札利 回りは1.495%、応札倍率は1.79倍だった。

10年債の利回りは2.11%。同国債(表面利率4%、2022年3月償 還)価格は116.77となった。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS)が まとめた指数によると、英国債の年初来リターンはマイナス1.3%。こ れに対し米国債はプラス0.2%、ドイツ国債はプラス1.4%となってい る。

原題:Pound Falls 2nd Day Versus Dollar After U.K. Manufacturing Slows(抜粋)

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