IMF:アジアに金融政策引き締め準備促す-インフレ警戒

国際通貨基金(IMF)は27日、ア ジア地域の経済が強含みインフレ圧力が高まっているとして、域内各国 に対し「ギアをシフト」させ金融政策を引き締める準備をすべきだと呼 び掛けた。

IMFは報告書で、アジアではインドネシアと韓国、シンガポール などでインフレ率が「じり高傾向」になっていると指摘。内需が引き続 き強く、景気拡大の勢いが増すことが見込まれていると付け加えた。

「アジアの政策当局は安定的でインフレ圧力のない成長を支えるた めに必要な保険を調整するという難しい仕事に直面」しているが、 「2012年初めに主要な金融市場における深刻な緊張が緩和し、アジアの 大半の地域で景気減速が底を打ちつつある兆しがある中、域内の政策当 局はマクロ経済政策を正常化させるペースを今年初めに想定していたよ り加速させる準備をすべきだ」という。

ただ、政策当局は警戒も続けるべきで「外的条件が再び悪化する」 兆候があれば、金融緩和余地がある場合は緩和を実施する必要が生じる かもしれないとの認識も示した。

報告書は、「世界経済は引き続き脆弱(ぜいじゃく)で、アジアは 深刻な下振れリスクにさらされている」とも分析。「ユーロ圏の債務危 機は完全には解決されておらず、ユーロ圏で金融の混乱が高まり、世界 的に広がる可能性がある一方で、地政学的リスク拡大がエネルギー価格 を大きく押し上げる恐れもある」と指摘した。

IMFの地域経済見通しによれば、今年のアジア経済成長率は 6%、来年は6.5%となる見込み。11年は5.9%成長だった。

過熱

IMFは「景気過熱圧力が鮮明になるにつれ、政策当局はギアをシ フトし引き締めサイクルを新たに始める用意をする必要がある」とし、 「下振れリスクに大きくさらされている経済と、中立的な金融政策スタ ンスに近い経済ではより長期の政策据え置き可能かもしれないが、より 緩和的な条件やより厳しいコアインフレ率、より強い与信の伸びを抱え る経済では、もっと中立的な政策スタンスにより迅速に戻る必要がある だろう」としている。

また、IMFによれば、中国の「ハードランディング」がアジアに とってのリスクだが、不動産市場の「急激な調整」の可能性は低い。

インドのインフレ圧力抑制には財政再建が重要だとも指摘。投資と 教育、インフラを支える措置を含めた構造改革めぐっては、こうした問 題への取り組みが後退しつつあるが、改革を復活させる必要があるとい う。貿易障壁の縮小が人口の配当を最大限を生かすための雇用機会の拡 大につながり得るとの見方も示した。

アジア地域の大半は依然としてユーロ圏危機の再度の悪化と、他の 先進国の銀行へのその波及の恐れにさらされているが、日本とオースト ラリアの銀行がアジア向け与信を増やしており、欧州の銀行のレバレッ ジ解消に伴う影響は「対応可能」だと説明した。

--取材協力:Sunil Jagtiani.

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