4月25日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル下落、FRB議長が追加措置の用意あると発言

25日のニューヨーク外国為替市場ではドルが主要通貨の大半に対し て下落。バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長が景気浮揚で必 要とあれば、追加の行動をとる準備がなお整っていると述べたことを受 け、ドル増刷への懸念が高まった。

バーナンキ議長の発言はFOMC後の記者会見で述べられたもの。 FOMCはこの日、政策金利を据え置いた一方で、向こう数四半期は緩 やかな成長にとどまり、その後徐々に加速するとの予想を示した。バー ナンキ議長の発言後、ドルは対円での上げ幅を縮小した。南アフリカ・ ランドとオーストラリア・ドル、カナダ・ドルは株式相場の上昇に伴い 上昇した。

ウェルズ・ファーゴの主任為替ストラテジスト、ニック・ベネンブ ローク氏(ニューヨーク在勤)は、「バーナンキ議長発言が金融当局の 見通しに色を付けたのは確かだ」と述べた。「議長が追加措置を講じる 用意があることが示唆された。議長は金融政策の決定に際しては忍耐強 く、慎重に行動する人だと市場では受け止められている」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで0.2%下落して 1ユーロ=1.3217ドル。ドルは対円でほぼ変わらずの1ドル=81円34 銭。円は対ユーロで0.2%下落して1ユーロ=107円52銭。

ランドは対ドルで0.6%高、豪ドルは0.4%上昇。カナダ・ドル も0.4%上昇した。

景気浮揚策は通常、リスクの高い資産に恩恵を与える。投資家が日 本や米国といった国の低金利を敬遠し、高リターンを求めるためだ。

バーナンキ議長の記者会見

バーナンキ議長は記者会見で、「われわれは引き続き、今の景気回 復を維持し、インフレが目標値付近で推移するよう、必要に応じて追加 の行動を取る用意がある」と述べた。

米金融当局者は失業率予想を下方修正し、成長率予想を上方修正し た。その一方で、政策金利を少なくとも2014年遅くまではゼロ付近で維 持する方針をあらためて確認した。

FOMCメンバーの今年の成長および失業率予測によると、中央傾 向は今年第4四半期の失業率が平均7.8-8%。1月時点では8.2 -8.5%だった。成長率は2.4-2.9%と、1月の2.2-2.7%から上方修 正された。

朝方に発表された米耐久材受注額もドルにとって売り材料だった。 米商務省が発表した3月の製造業耐久財受注額は前月比で4.2%減少。 これは景気後退最中の2009年1月以来で最も大きな下げとなった。ブル ームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は1.7%減だった。前 月は1.9%の増加だった。

ドルが年初来で2.6%下落

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ドルは年初から2.6%下落。円は8.5%安となっている。

英ポンドは対ドルで一時0.4%下落した。1-3月(第1四半期) の英経済は前期比で縮小。これで2四半期連続のマイナス成長となっ た。

ユーロは一時対ドルで下落。フランス大統領選の第1回投票で首位 となった社会党のオランド候補が欧州の財政協定について、自身が当選 すれば現行のままでの批准はないと述べたことが手掛かりだった。

原題:Dollar Falls as Bernanke Says He’s Prepared to Add More Stimulus(抜粋)

◎米国株:続伸、ナスダック100は今年一番の上げ-アップル増益で

米株式相場は続伸。ナスダック100種指数は年初来最大の上昇とな った。アップルの四半期利益がほぼ倍増したことが好感された。バーナ ンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が景気浮揚へ向けた追加行動 をとる準備が整っていると発言したことも、株価を下支えした。

時価総額世界一のアップルは前日比8.9%急伸し、2008年11月以来 の大幅な上昇。航空宇宙最大手、ボーイングも大幅高。好調な商用機の 納入に伴い、生産水準は過去最高に達した。一方、建設機器メーカー最 大手、キャタピラーは大幅下落。売上高が予想に届かなかったことが嫌 気された。

ナスダック100指数は前日比2.7%高の2709.62。S&P500種株価指 数は1.4%上げて1390.69で引けた。ダウ工業株30種平均は89.16ドル (0.7%)高の13090.72ドル。米国の証券取引所全体での出来高は約68 億株と、3カ月平均にほぼ一致した。

MFSインベストメント・マネジメント(ボストン)のジェーム ズ・スワンソン最高投資責任者(CIO)は、「心強い決算だ。今シー ズンは低成長の環境下にありながら、企業が良好な収益を上げられるこ とが示された。決算がこの調子を維持する限り、市場にとっては明るい 兆候だと言えるだろう」と述べた。

予想を上回る経済統計や企業決算を背景に、S&P500種は年初か ら11%上昇している。欧州の景気が足かせとなっているものの、米国内 の成長がそれを補う形で貢献し、米企業の業績は予想を上回るケースが 増えている。今月10日以降に決算を発表したS&P500種の構成銘柄企 業の82%で、利益が予想を上回った。

決算が堅調

ブルームバーグの集計によると、増益率は平均11%と、決算シーズ ンの始まり時点でアナリストが予想した0.6%増を上回っている。S& P500種の主要10業種全てで決算は予想を上回り、金融と通信、テクノ ロジー関連企業は10%超の増益となった。

連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に発表された声明を受け、 この日の相場は堅調に推移した。FOMCは声明で、経済成長は徐々に 加速するとの見通しを示した。借り入れコスト低下に向けた新たな措置 には踏み切らなかった。景気見通しと失業率予想では改善傾向が示唆さ れたものの、FOMCは異例な低金利を少なくとも2014年遅くまで維持 する方針をあらためて示した。

ウェルズ・ファーゴ・アドバンテージ・ファンズのポートフォリオ マネジャー、アン・ミレッティ氏は「金融当局は景気に保険対策を打っ ている」とし、「状況の改善が感じられるが、やや不安定だ。当局は状 況改善に向けて支援する姿勢を見せている。決算は好調で、市場は好感 している」と解説した。

テクノロジー株が高い

この日はS&P500種の主要10業種が全て上昇。同指数の構成比 率20%を占めるテクノロジー株が上げをけん引した。テクノロジー株指 数は3.2%高と、昨年11月以来の大幅な上昇となった。景気動向との関 連が強い銘柄で構成するモルガン・スタンレー・シクリカル指数 は1.6%上昇。小型株で構成するラッセル2000指数は1.8%上げて812.12 だった。

アップルは8.9%高の610ドルちょうど。中国での堅調な需要に支え られ、スマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォー ン)」の販売台数は2012年1-3月に予想を上回る3510万台に達した。 中国での売上高は同社の総売上高の20%を占めた。

ボーイングは5.3%上げて77.08ドル。コカ・コーラは1.1%高 の74.93ドルで取引を終えた。一方、キャタピラーは4.6%安と、ダウ平 均構成銘柄中で最大の下げとなった。

原題:U.S. Stocks Rise as Nasdaq-100 Has Biggest Jump in 2012 on Apple(抜粋)

◎米国債:下げ縮小、バーナンキ議長が追加緩和の可能性を示唆

米国債相場はこの日の下げの大半を埋める展開。米連邦準備制度理 事会(FRB)のバーナンキ議長が、景気が減速した場合に新たな刺激 策を実施する可能性があるとの認識を示したことに反応した。

この日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、経済成長ペース の加速を予想した一方、追加の資産購入など借り入れコスト低下のため の新たな措置には踏み切らなかった。これを受けて米国債相場は続落し ていた。バーナンキ議長はFOMC後の記者会見で、「必要に応じて追 加行動を取る準備がなお整っている」と述べた。

ウンダーリッヒ・セキュリティーズのマネジングディレクター兼米 国債トレーディング責任者、マイケル・フランゼーズ氏(ニューヨーク 在勤)は「バーナンキ議長が言ったのは要するに、量的緩和(QE)が まだ机上に置かれているということだ」と解説。「米国債が戻したのは それが理由だ」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の1.98%。一時2.04%まで上げる場面もあった。同年 債(表面利率2%、2022年2月償還)価格は3/32下げて100 1/8。

30年債利回りは2bp上げて3.15%。一時は3.19%を付けた。

失業率予想

2年余りに及ぶ景気拡大が力強さを増す中、FOMCは追加の景気 刺激策には踏み切らなかった。ただ、失業率は金融当局を満足させるほ ど速くには低下しておらず、FOMCは異例な低金利を少なくとも2014 年遅くまで維持する方針をあらためて示した。

FOMCメンバーは、10-12月(第4四半期)の失業率が平均7.8 -8%になると予想。1月時点での予想は8.2-8.5%だった。

今回の予測ではメンバー17人のうち7人が2014年末も政策金利は 1%を下回っていると予想、1月時点では9人だった。また、残る10人 は1%以上に引き上げられていると予想した。1月時点は8人だった。

ウェルズ・キャピタル・マネジメントで約30億ドル相当の資産運用 に携わるジェイ・ミュラー氏は「FOMCは非常に断固とした緩和姿勢 を取っている。緩和策を続けるだろう」と述べた。

インフレ見通し

金融当局はこれまで2回の量的緩和策で合計2兆3000億ドルの債券 を買い入れた。また4000億ドル相当の短期債を売却し、期間が長めの証 券を同額購入する、いわゆる「オペレーション・ツイスト(ツイストオ ペ)」も実施している。

FOMC声明ではインフレについては幾分か上向いたとする一方、 ガソリン値上がりの影響は一時的なものにとどまるとも予想した。バー ナンキ議長は年内にインフレ率が2%前後になると予想している。

現在の5年後から5年間のインフレ期待を反映するブレーク・イー ブン・インフレ率(フォワードBEI)は2.63%と、過去10年間の平均 (2.76%)を下回っている。フォワードBEIは、FOMCが金融政策 策定の際に役立てている。

この日の5年債入札では、投資家の需要を測る指標の応札倍率 は3.09倍。過去10回の入札の平均は2.88%だった。

間接入札者の落札比率は47.5%。過去10回の入札の平均は43.5%。

ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・コ ミスキー氏(ニューヨーク在勤)は「入札は非常に順調だった」とし、 「入札前の利回り上昇が効いた」と述べた。

原題:Treasuries Recover Losses as Bernanke Keeps QE Speculation Alive(抜粋)

◎NY金:小反落、FOMCは追加の刺激措置に踏み切らず

ニューヨーク金先物相場は小幅反落。米連邦公開市場委員会 (FOMC)が追加の刺激措置に踏み切らなかったことで、インフレ加 速への懸念が後退した。

FOMCは声明で、「委員会は、向こう数四半期は緩やかな成長に とどまり、その後徐々に加速すると予想している」と表明した。金 は2008年末以降、大きく上昇している。FOMCが政策金利を過去最低 に据え置き、いわゆる量的緩和で機関債や国債を計2兆3000億ドル相当 購入したことが背景にある。

ペンション・パートナーズの主任投資ストラテジスト、マイケル・ ゲイド氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで「新たな流動性供 給への期待が打ち砕かれた」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物6 月限は前日比0.1%安の1オンス=1642.30ドルで終了。年初から は4.8%値上がりしている。

原題:Gold Declines in New York as Fed Refrains From More Stimulus(抜粋)

◎NY原油:続伸、FOMCの景気判断を好感-終値104.12ドル

ニューヨーク原油先物相場は続伸。米連邦公開市場委員会 (FOMC)が声明で、米経済は緩やかな成長から徐々に加速するとの 見解を示し、景気浮揚に向けた新たな措置には踏み切らなかったことが 背景。

FOMCは声明で、「委員会は、向こう数四半期は緩やかな成長に とどまり、その後徐々に加速すると予想している」と表明した。原油は これより先、下落する場面もあった。米国の在庫が増加したことや、イ ランの駐ロシア大使が同国は核開発プログラムの拡大中止に関するロシ アの提案を検討していると発言したことが材料視された。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キ ャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は 「FOMC声明の影響が市場全般にみられる」と指摘。「経済成長が見 込まれているという事実は需要にとって好ましい。将来的な刺激措置の 余地も残された」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物6月限は前日 比57セント(0.55%)高の1バレル=104.12ドルで終了。これは1週間 ぶりの高値。年初からは5.4%上昇している。

原題:Oil Caps Longest Rally in Two Months as Fed Sees Economic Pickup(抜粋)

◎欧州株:続伸、企業利益が予想上回る-銀行株高い

欧州株式相場は続伸。米アップルのほか、スウェーデンのスウェド バンクやエレクトロラックスの利益が予想を上回ったことが手掛かり。

スウェドバンクは約1カ月ぶりの高値を付けるなど、銀行株が買わ れた。家電メーカーのエレクトロラックスは6.5%上げた。スイスのソ フトウエアメーカー、テメノス・グループは19%急伸。1-3月売上高 が予想以上となったほか、同社は通期見通しを据え置いた。

ストックス欧州600指数は前日比1%高の256.96で終了。年初来上 昇率は5.1%。欧州中央銀行(ECB)が与信拡大と景気支援を目的に 1兆ユーロ余りの資金を域内銀行にこれまで提供しており、相場の支え となってきた。

リサーチ・アンド・アセット・マネジメント(チューリヒ)のオッ トー・バサー最高投資責任者(CIO)は「アップルや欧州の一部企業 の力強い内容の決算がこの日の相場への支援要因だった」とし、「市場 は流れてくる情報に左右されて参加者が売り買いする環境にあるが、は っきりしたトレンドを欠いている。最近は一段と強い変動のほか大きな 方向性の変化もあり、一部投資家は神経質になっている」と続けた。

ストックス欧州600指数は前日も1%高だった。一部企業の利益が アリスト予想を上回ったほか、3月の米新築一戸建て住宅販売が減少し たものの市場予想を上回ったことが手掛かり。ブルームバーグのデータ によると、25日の売買高は過去30日平均を4.4%上回る水準だった。

原題:European Stocks Advance; Swedbank, Electrolux Rally on Earnings(抜粋)

◎欧州債:スペインとイタリア債が続伸-株高でリスク意欲高まる

欧州債市場ではスペインとイタリアの国債が続伸。米アップルやス ウェーデンのエレクトロラックスなどの利益が予想を大きく上回ったこ とを背景に、高利回り資産を求める動きが高まった。

スペイン10年債利回りは約3週間ぶりの低水準となった。アップル の1-3月(第2四半期)利益が94%増加したほか、中国の温家宝首相 が「中国は今後も安定した力強い成長を維持すると確信している」と述 べたことを手掛かりに、欧州株式相場は上昇した。

ドイツ国債は下落。この日の30年債入札で、応札額が発行額の目標 上限を下回った。

ロイズ・バンキング・グループの債券ストラテジスト、エリック・ ワンド氏(ロンドン在勤)は「リスク意欲が若干戻った。一部企業の好 決算で株高となり、市場のセンチメントが改善された」と述べた。

ロンドン時間午後4時38分現在、スペイン2年債利回りは前日比17 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.27%。前日は14b p下げた。同国債(表面利率3.4%、2014年4月償還)価格はこの 日、0.315上げ100.25。

イタリア2年債利回りは7b低下し3.25%、ベルギー国債の2年物 利回りは6bp下げて1.17%となった。

ドイツ国債

ドイツ国債は、他のユーロ導入国すべての国債のパフォーマンスを 下回った。10年債利回りは前日比4bp上昇の1.74%

ドイツが実施した入札で、2044年7月償還債への応札額は27億5000 万ユーロ。発行額の目標上限は30億ユーロだった。発行利回りは過去最 低の2.41%。

原題:Spanish Bonds Gain as Company Earnings Boost Demand; Bunds Drop(抜粋)

◎英国債:10年債下落、利回り2.14%-第1四半期GDPは0.2%減

英国債市場では10年債相場が下落。同利回りは前日比4ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.14%。同国債(表面利率 4%、2022年3月償還)価格は0.43下げ116.45となった。

英政府統計局(ONS)がこの日発表した英国内総生産(GDP) は予想に反して縮小。1-3月(第1四半期)のGDP速報値(季節調 整済み)は前期比0.2%減となった。ブルームバーグがまとめたエコノ ミスト40人の調査では中央値で0.1%増が見込まれていた。昨年10-12 月(第4四半期)は0.3%減で、英経済のリセッション(景気後退)入 りが示された。

ノムラ・インターナショナル(ロンドン)の欧州為替戦略責任者、 ジェフ・ケンドリック氏は電子メールで配布したリポートで、「この日 のGDP統計は極めて悪かった」と指摘した上で、「英国は最上級格付 けを維持しており、そうなると、マイナス成長にもかかわらず、英国債 購入は欧州債を買うよりも魅力が依然大きいということになるかと思 う」と続けた。

原題:Pound Drops From Seven-Month High as U.K. Re- Enters Recession(抜粋)

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net Editor: Mariko Rakuyama 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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