ブリヂストン:中国タイヤ需要の伸び鈍化、経済成長の減速が重し

タイヤの売上高で世界首位のブリヂ ストンは、世界最大の天然ゴム消費国である中国でのタイヤ需要につい て、経済の成長率が減速する影響などを受け、伸び率が昨年よりも鈍化 すると予想している。

海外地域タイヤ事業担当の大橋牧夫執行役は23日、ブルームバー グ・ニュースとのインタビューで、中国のタイヤ市場が「調整局面に来 ている」との見方を示した。同市場の需要の5割程度を占めるトラッ ク・バス用ラジアルタイヤの販売について「政権がソフトランディング しようとしている目標範囲程度に落ち着くだろう」と述べ、昨年の年 率11%程度の増加から7.5-8%程度の増加にとどまると予想した。

乗用車向けタイヤについても「新車買い替えのための政府のインセ ンティブが制限されてきている」とし、昨年16%の伸びを示した新車用 タイヤの販売ペースが「スローダウンしている」と述べた。需要減速の 理由については「原材料が去年半ばごろまで高くなっていた局面が続い た」ことも指摘。天然ゴムなどの高騰でタイヤの先高観が強まり一部の 顧客の間で買い置きが進んだ結果、市場の一部で在庫が積み上がったと いう。

国際指標とされる東京工業品取引所(TOCOM)の天然ゴム先物 相場は昨年2月、過去最高値となる1キログラム当たり535円70銭に上 昇。中国を中心に需要が拡大する中、最大生産国のタイで洪水が発生し たことで需給がひっ迫した。同相場はその後、欧州債務危機による世界 経済の後退懸念の影響などで昨年11月に248円60銭まで下落、ほぼ2年 ぶりの安値を付けた後、足元では300円台前半で推移している。

中国汽車工業協会(CAAM)の発表によると、中国の1-3月の 乗用車販売台数は、前年同期比1.3%減少した。減少は2005年以来初め て。同協会幹部のグ・ジァングァ氏は先月、個人的な意見として同国の 今年の自動車販売の伸びが、景気減速と燃料価格の上昇からCAAM予 想の8%増に届かない可能性があるとの見方を示している。

中国でのタイヤ需要の伸びの減速に対し、大橋氏は、インドや東南 アジアなどの新興国の需要拡大が補う可能性が高いとみている。同地域 のトラック・バス用ラジアルタイヤの需要は今年、インドで39%、タイ で24%増加すると予想、乗用車用タイヤもそれぞれ15%、13%増加する と見込んでいる。

ブリヂストンが2月に発表した決算資料によると、同社の2012年の タイヤ生産見込みはゴム量ベース(天然と合成を含む)で前年比5.3% 増の199万トン、過去最高水準に達するとみている。

11年実績は、広報部の富澤薫・広報第一課長によると、世界合計 で189.2万トン。地域別では、中国が9.2万トン、インドを含むアジア (中国を除く)が30.9万トンで、米国は57.9万トン、欧州は24.8万ト ン、日本は57.3万トンだった。

ブリヂストンの世界のタイヤ市場に占める割合は、同社が、米国の タイヤビジネス誌が集計、発表している資料を基にまとめたところによ ると、10年時点の売上高ベースで16.1%。ミシュランの14.8%、グッド イヤーの11.2%を押さえて世界1位だった。

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