NKSJ社長:新興国の自動車保険への投資に関心-収益貢献で選別

大手損害保険グループのNKSJホ ールディングスは、今後の買収・合併(M&A)戦略として、成長性が 見込める新興国の自動車保険会社などに選別投資していく方針だ。1日 付で就任した桜田謙悟社長(損害保険ジャパン社長、56)ら経営トップ がブルームバーグ・ニュースとのインタビューで述べた。

NKSJでは損保ジャパンと日本興亜損害保険が2014年度上半期 に「損害保険ジャパン日本興亜」として合併する予定。日本の自動車保 険市場などが少子高齢化などで頭打ち状態となる中、桜田社長や同時に 持ち株会社の会長に就任した二宮雅也会長(日本興亜損保社長、60)が 今後の経営戦略を明らかにした。

桜田氏は海外M&Aについて、新興国などの保険会社が対象となる との考えを示した上で、中長期的な収益貢献の観点から「現地市場で成 長する自動車保険に強みを持つ会社」などを見極める方針を示した。N KSJでは海外保険事業からの収益について現在の年間約50億円から 16年3月期には200億円に拡大することを目指している。

また桜田氏はM&A戦略に関連し、補償内容やカバー地域で保険リ スクを分散する考え方について、事業多様化や国際化ではなく「再保険 を調達する」ことでリスクは分散できると指摘し、M&Aの主目的は収 益力の拡大と強調。欧米の保険会社も対象とするが、投資規模とも照ら し合わせ「やるならよく知っているところ」に限定する方針だ。

スピード感で合併に転換

損保ジャパンと日本興亜2社合算の正味収入保険料は11年3月期 時点で1兆8800億円。損保単体では1兆7400億円の東京海上日動火災 保険、1兆2300億円の三井住友海上火災保険を上回る。国内損保市場 の伸び悩みなどでパイ拡大が難しくなる中、桜田氏は「適正な競争でシ ェアを上げる必要がある」と述べた。

国内損保事業について2014年の傘下損保の合併新会社の社長に就 任する二宮氏は「顧客評価が最も高い評価になること」が重要と指摘。 傘下損保2社を併存させる「1プラットフォーム、2ブランド」戦略を 転換した理由について東日本大震災やタイ洪水などで「スピード感をも って事業効率を高める必要があるとの機運が高まった」と述べた。

スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は損保ジャパンと日本 興亜の両社を2月に「A+」に1段階格下げした。タイ洪水や東日本大 震災の影響で損失計上する結果、自己資本基盤が劣化するためなどとし ている。桜田氏はリスクの削減や収益からの資本積み上げによりAA格 へ再昇格を目指していきたいと述べた。

訪問介護

リスク削減の一環として、政策保有株式は計画通り13年3月まで の3年間で3000億円削減する方針だ。資本の積み上げは収入拡大とコ スト削減による収益力強化で対応する。国内損保事業の市場シェア拡大 と保険以外のサービス産業への多角化で収入増加を図るという。

保険事業以外の収益拡大策について桜田氏は「利用者が2000万人 おり、保険だけではなく、サービスを買ってもらうことが収益につなが る」と指摘。今月から始めた利用者向けのレッカーや修理業者の手配と いったアシスタンス事業や、訪問介護事業などを強化していきたい意向 を示した。

NKSJ株の23日終値は前週末比10円(0.6%)安の1648円。

--取材協力:Tomoko Yamazaki Editor: 平野和

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