モルガン・スタンレーに勝る五輪金メダルの魅力-30歳の挑戦

ボート(漕艇)競技で世界選手権優 勝の経験を持つマイケル・ブロムキスト氏は、 モルガン・スタンレー のアナリストとしての職よりロンドン五輪で金メダルを獲得するチャン スを優先させた。その決断は簡単ではなかったという。

ブロムキスト氏(30)は「高い報酬と快適で普通の暮らしを捨て去 るのは常に難しいものだ」と認める。「日々を満喫しているけれど、も ちろん時には、何とひどい決断をしてしまったのだろうと思うこともあ る。仕事が順調に上向いていると感じていたまさにその時に、歩き去っ てしまったのだから」と語った。

2005年に日本で行われた世界ボート選手権で、米国男子エイトで出 場し優勝。アナリストとして働いていたモルガン・スタンレーを2010年 に退職し、今年ロンドンで開催される夏季オリンピックの米代表選手団 入りを目指している。

同氏は2003年にハーバード大学を卒業したが、就職を3年間先延ば ししてオリンピックのメダル獲得に挑戦した。その後モルガン・スタン レーのロンドン支社で4年間勤務。オリンピックの魅力は同氏を再び水 へと呼び寄せた。

カリフォルニア州オークランドでトレーニングを積む間、生活費は 貯金で賄っている。同氏はアナリスト時代の年収を明かさなかったが、 人材派遣会社のリード・グローバルによれば、入社2-4年のロンドン のアナリストであれば年収は平均6万9850ポンド(約920万円)に届 く。その年収を見送っての選手生活だ。

月間給付金、約3万円

米国ボート協会の会員で元オリンピック選手のジェイミー・コーベ ン氏は「どの選手も高学歴で極めて向上心が強く、非常に見込みがあ る」としながらも、「一番の問題は選手をやめて仕事に就いてしまうこ とだ」と語った。

ボート競技の全国組織、USローイングのグレン・メリー最高経営 責任者(CEO)によれば、選手への給費は月300-1000ドル。米国オ リンピック委員会(USOC)が年間の競技費用の約3分の1を担う が、残りは企業スポンサーや個人寄付のほか、チャリティーゴルフなど を通じた募金活動で補われるという。

米男子エイトはまだオリンピックの出場権を得ていない。オリンピ ック前の世界選手権で出場権を獲得していないのは前例のないことだ。 4月30日までに代表メンバーが選出される。5月20-23日にスイスで行 われる最終選考会で優勝すればオリンピック出場が決定する。

ブロムキスト氏は「逃げ出したい気持ちもある。でもオリンピック で金メダルを取る夢、金メダルが必要だという思いには替えられない」 と力を込めた。

原題:Lure of Olympic Gold Beats Morgan Stanley for Ex-Harvard Rower(抜粋)

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