オリンパス:新取締役を選任,ウッドフォード氏動議否決

損失隠し発覚に伴って経営陣を刷新 するオリンパスの臨時株主総会が20日開催され、取締役と監査役の選任 議案など7議案を可決した。続いて開かれた取締役会で、笹宏行氏が社 長に、メーンバンクの三井住友銀行出身の木本泰行氏が会長に就任。新 経営陣が経営の立て直しを図る。

同総会は、都内で午前10時から開かれた。出席者は947人、所要時 間は2時間59分と、いずれも過去最高を記録した。同社は昨秋から、損 失隠しなどの不祥事で大きく揺れ続けており、この問題など経営方針に ついて20人が相次ぎ質問に立った。

不祥事の再発防止のため、新取締役11人のうち社外取締役が過半数 の6人を占めた。新取締役には、三菱東京UFJ銀行出身の藤塚英明氏 や旭化成最高顧問の蛭田史郎氏も選任された。旧取締役・監査役は全員 退任したが、渡辺和弘氏と西垣晋一氏は、執行役員として同社にとどま る

社長職を退くことになった高山修一氏は総会で、株価下落の最大の 要因は信頼性の問題だと述べた。今後の資本増強は事業戦略次第と考え ているとし、「資本・業務提携ありきではない」と語った。笹氏は、 「深くお詫びする。使命はブランドと信頼を取り戻すこと。二度と問題 を起こさないよう改革する。企業価値向上に全力を尽くす」と述べた。

同総会を前に、過去の買収を問題視して昨秋解任されたマイケル・ ウッドフォード氏が解職理由について経営陣がどう認識しているのか、 などの質問を提出していた。これに対しては、鈴木正孝取締役が英国で 係争中のためコメントは差し控える、と回答するのにとどまった。

取り消し求める訴訟も

納得しないウッドフォード氏は、「会社側の回答は不十分。質問に 答えてほしい」とし、執行役員として同社に残る取締役がいるため、 「全員が会社を去ることを約束してほしい」などと迫った。さらに、同 氏を取締役に選任する動議も株主から出されたが、会社側議案の可決に 伴い、否決された。

オリンパス株式を保有する日本生命保険の筒井義信社長は、同日午 後の生命保険協会の定例会見で、「事前に新経営陣のキャリア等を拝見 し、ふさわしいと思っている。今日で再生に向けた道筋がつけられた。 医療分野の技術力やブランド力が高く、今後の企業価値が右肩上がりに 回復していくことに期待感を込めてみていきたい」と述べた。

一方、ウッドフォード氏は総会終了後に記者会見し、事前質問に対 し、会社が正当な理由なく回答しなかったことが会社法に違反するとし て、同株主総会の取り消しを求める訴訟を検討していることを明らかに した。同氏は弁護士と相談しており、「数日以内に結論を出す」と述べ た。

同社の株価は、午後の取引から大幅に上昇。一時、前日比89円 (7.4%)高の1298円まで買われた。終値は同77円(6.4%)高の1286 円。立花証券の平野憲一執行役員は、「新経営陣が決まったことで、投 資家はオリンパスのガバナンス上の問題は解決したと判断し買い戻して いる」と述べた。ただ、指標でみると株価純資産倍率はすでに7倍以上 に達していて、割安な水準ではないとも指摘した。

--取材協力:. Editors: 室谷哲毅, 崎浜秀磨

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