SMBC日興:JALのIPO主幹事から除外も-増資関連の違反で

日本航空(JAL)は今秋に計画し ている新規株式公開(IPO)の国内主幹事からSMBC日興証券を除 外する可能性があることが19日分かった。金融当局が先週、企業の公 募増資に絡む法令違反を認定したためだ。証券会社の不適切な企業情報 の管理がインサイダー取引を招いたとの疑惑が生じており、当局の摘発 が広がれば今年の資本市場は重大な影響を受ける公算もある。

JALの株式約97%を保有する企業再生支援機構(ETIC)は、 SMBC日興の主幹事としての資格を剥奪もしくは停止するか否かの 検討に入った。JALの経営再建を進めてきたETICは全保有株を放 出する計画で、売り出し規模は5000億円から1兆円と国内IPOとし ては1998年のNTTドコモ以降の最大案件となる見込みだ。

ETIC企画調整室の清水竜氏は、ブルームバーグ・ニュースの取 材に「対応について現在慎重に検討している」ことを明らかにした。コ ンプライアンス(法令順守)の観点から、SMBC日興を主幹事から除 外する可能性があるかとの問いに回答したもので、現時点ではそれ以上 のコメントは避けるとしている。

再生支援機構はJAL再上場に向けて昨年7月1日に国内主幹事 証券を選定した。その際の主幹事選定における審査要領の基本方針では 主幹事の選定後、業務の履行状況を総合的に勘案して「資格剥奪、資格 停止」などを行う場合があると定めている。

証券取引等監視委員会は13日、SMBC日興に法令違反の事実が 認められたとして行政処分するよう金融庁に勧告した。公募増資に関す る情報を営業本部の役員らが営業部店長に伝達、支店長らの指示を受け 実際に8支店で23営業員が34顧客に公表前の増資情報で新株の購入を 勧誘した。監視委では企業情報の管理などが不適切だったとみている。

SMBC日興の国吉清夫広報担当は、JALのIPO主幹事から除 外される可能性についてコメントを控えるとしている。

広がる不信感

監視委は3月、中央三井アセット信託銀行の社員が国際石油開発帝 石の公募増資に関する情報を引き受け主幹事から入手し、公表前に株を 不正に売却したとして金融庁に処分勧告した。主幹事証券が第三者に漏 らした情報でインサイダー取引が行われた初のケースで、監視委では日 本の証券市場の信認を著しく傷つけたとして問題を重くみている。

一方、野村ホールディングスがこのインサイダー取引に関与してい たことが分かっている。関係者によれば、引き受け主幹事として知り得 た情報を中央三井アセット信託に漏らしたのは野村だったという。

日本の金融当局は過去に実施された日本板硝子や東京電力などの 大型増資でも公表前から株価が下落するなどインサイダー取引が行わ れた疑いがあるとみて、複数の海外当局と連絡を取り合いながら現在、 調査を進めている。

JALは早ければ9月にIPOにより東京証券取引所に上場する 計画で、複数の関係者によると7月にも東証に正式申請する見通し。

住宅支援機構が主幹事変更

再生支援機構は7月、JALの国内主幹事に、三井住友フィナンシ ャルグループのSMBC日興のほか、大和証券グループ本社、野村、み ずほと三菱UFJの証券子会社を選定。1月には海外主幹事として、バ ンク・オブ・アメリカとモルガン・スタンレーを起用した。グローバル コーディネーターは野村と大和が務める。

  住宅金融支援機構は17日、5月に予定している同機構債の発行で 主幹事の1社に選定していたSMBC日興を三菱UFJに変更すると 発表した。市場資金部の吉平貴志調査役は、「諸般の事情により変更し た」と述べ、具体的な理由についての言及を避けた。野村とゴールドマ ンは予定通り主幹事を務める。

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