三菱商社長:欧州債務危機の解決はまだ、中国インフレ圧力再度高まる

三菱商事の小林健社長は、欧州の債 務問題の行方について「ギリシアに対する支援はまとまり小康状態にあ ると言えるが、ファンダメンタルは何ら解決していない」と語り、引き 続き注視していく考えを示した。18日に都内で開催された「SEA JAPAN2012」の講演で述べた。

欧州問題の進展を見極める要点として、小林社長は「まだまだ財政 規律の強化や歳出削減を実行できるのか、ドイツとフランスがいわば身 銭を切ってギリシア以外の国を支援していくことが可能なのかがポイン ト」と話した。

米国経済については国内総生産(GDP)の7割を占める個人消費 の動向が重要だと指摘。金融危機以降、消費を抑制する動きで過剰に積 み上がった住宅ローンなどの家計の債務を少しづつ減少させているが、 「家計部門の債務残高を健全に戻すにはあと2-3年はかかるのではな いか」との見通しを示した。

新興国経済の動向については「世界的なカネ余り、国際商品市況の 上昇で中国ではまたインフレ圧力が高まっており、今後の政策のかじ取 りが難しくなってきている」との認識を示した。

一方、環太平洋経済連携協定(TPP)への日本の交渉参加に関し ては「多くの日本企業にグローバルにチャンスを広げて国内での生産拠 点を生かしつつ海外に展開するということが今まで以上に自由にでき る」として「日本にとって参加していくことは必要」と強調した。

三菱商は純利益の約7割を資源事業から稼いでいるが、小林社長は 商品市況の上昇による影響が大きいとして「非資源の部分でいかに強み を発揮していくかがこれからの総合商社の役割」と説明。非資源分野へ の投資強化で2012年度末には総資産の内訳が資源分野4割、非資源分野 6割を見込み「ポートフォリオ的にはちょうどいい」と言う。全体の2 割にとどまる国内からの収益比率の向上も課題とした。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE