【日本株週間展望】反発、日米の金融緩和期待-欧州警戒し上値限定

4月第3週(16-20日)の日本株 は反発しそうだ。日米の金融当局が今月下旬に追加金融緩和に動くと の観測、今期企業業績の回復期待から相場の調整一巡感は広がりつつ ある。ただ、欧州債務問題が再び深刻化するリスクも抱え、投資家は 積極的に上値を買う動きを手控える公算が大きい。

マニュライフ・アセット・マネジメントの冨岡英浩取締役株式運 用部長は、スピード調整が続いたが、「日柄、値幅ともに調整一巡感が 出ている」と指摘。日本銀行による追加金融緩和や今期企業業績の大 幅増益への期待で、「目先は底入れから反発に向かう」と予想した。

第2週の日経平均株価は、前週末比0.5%安の9637円と2週連続 で下落。米国雇用統計の不振、スペイン国債利回りの上昇を受けた欧 州債務不安の再燃、為替の円高などが響き、週前半に鉄鋼や海運、電 機、証券など景気敏感業種を中心に売られた。11日に9388円と約2 カ月ぶり安値まで下げ、投資家の短期売買コストである25日移動平均 線からの下方かい離率は、目先売られ過ぎを示す5%を超えた。ここ から下げ渋り、週後半は続伸するなど底入れ機運も出始めた。

6日に発表された3月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数 が前月比12万人増と、増加幅は2月の24万人から半減、事前予想の 中央値(20万5000人)も下回った。米景気への楽観ムードが後退す る半面、景気下支えのため、連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩 和姿勢が続くとの期待感も浮上。24-25日に開かれる連邦公開市場委 員会(FOMC)で、「量的緩和第3弾(QE3)に向けた動きが出て くる可能性もある」と、いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は言う。

次回会合、海外勢売買に影響も

日本でも、日銀が10日の金融政策決定会合で現状政策を維持し、 次回27日の会合では追加緩和に踏み切るとの見方が強まっている。日 米を中心とした緩和マネーが再び株高を演出する構図が想起され、先 取りする格好で投資資金の流入が見込まれると秋野氏は指摘する。

相場上昇に向けては、売買代金シェアで6割超を占める海外投資 家の買いが不可欠だ。東京証券取引所が12日に発表した4月1週の投 資部門別売買動向によると、海外勢は2週連続で日本株を買い越した。 一方、大阪証券取引所と東証が発表した株価指数先物の取引状況では、 海外勢は2週連続の売り越し。

野村証券エクイティ・ストラテジー・チームの柚木純アナリスト は、先週から今週にかけての相場下落は「海外投資家による先物への ヘッジ売りが響いた」と見ている。海外勢が日本株の持ち高引き下げ に動いた形跡は見られず、「むしろ、買い遅れた海外勢は下値での買い 意欲がある」と言う。

業績関心高まる

企業の前3月期決算発表が4月最終週から本格化するため、業績 への関心も高まってきた。日銀の企業短期経済観測調査(短観、3月 調査)では、12年度の大企業・全産業の経常利益計画は前年度比1.1% 減。SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは、短観計画に ついて「企業は世界経済や為替を慎重にみる一方、原油高を強く意識 しており、売り上げが増えにくく、コストは高まりやすい状況を想定」 し、極めて控えめな予想としている。

牧野氏は、為替前提を短観の通期想定レートの1ドル=78.14円 から85円とし、輸出の伸びを6%、原油価格を1バレル=100ドルと 想定して試算すれば、大企業・全産業の経常利益は前年度比で短観計 画から21.6ポイント上振れると分析した。輸出に連動した国内売上数 量の増加や円安による価格競争力の向上などを考慮すれば、利益はさ らに押し上げられるという。

LTROのサプライズ効果息切れ

一方、アムンディ・ジャパンの高野雅永チーフストラテジストは、 「欧州中央銀行(ECB)による長期リファイナンシングオペ(公開 市場操作、LTRO)の発表・実施が与えたマーケットに対するポジ ティブサプライズ効果は4月に入って息切れした」とし、欧州情勢を めぐる悲観が高まるリスクに警戒感を示している。

南欧諸国の財政運営に疑念がくすぶる中、欧州債市場でスペイン やイタリアの国債利回りが足元上昇基調にある点は気掛かりだ。10日 には、スペイン10年債国債利回りのドイツ10年債に対する利回り上 乗せ幅が4.28ポイントと、昨年11月以降で最大となった。

高野氏は、「深刻な財政・金融問題を抱える欧州では、政治が大き なカギを握る」と指摘。仏大統領選、ギリシャの総選挙を控える中、 「政治の混迷が深まるようだと、リスクオフの流れが再び強まり、株 安・円高につながる公算が大きい」と話す。

第3週の米国では、経済指標の発表が相次ぐ。マニュライフの冨 岡氏は、「米経済の回復基調は崩れていない」と言い、こうしたトレン ドが確認できるかどうかは注目点だ。16日には3月の小売売上高、17 日に3月の住宅着工件数や鉱工業生産などが予定。米国内総生産(G DP)の約7割を占める個人消費の動向を示す意味で注目される小売 売上高は、エコノミスト予想の中央値で前月比0.4%増と、10カ月連 続のプラスが見込まれている。

また、米企業決算も発表が本格化しており、16日にシティグルー プ、17日にゴールドマン・サックスやIBM、インテル、19日にバン ク・オブ・アメリカ(BOA)やマイクロソフト、20日にゼネラル・ エレクトリック(GE)などが予定している。

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