シンガポール1-3月:プラス成長回復-通貨上昇加速を容認

シンガポール経済は2012年1-3月 (第1四半期)にプラス成長を回復した。これを受けて、シンガポール 通貨庁(MAS、中央銀行に相当)は予想外の金融引き締めに動き、イ ンフレ圧力抑制のため自国通貨の上昇加速を容認すると発表した。

シンガポール通産省が13日発表した1-3月期の国内総生産( GDP)は前期比年率9.9%増加。ブルームバーグ・ニュースがまとめ たエコノミスト12人の予想中央値では6.8%増が見込まれていた。昨 年10-12月(第4四半期)は2.5%減少だった。

一方、為替レートを使ってインフレ抑制を図るMASはシンガポー ル・ドルの取引バンド(許容変動幅)の傾斜をややきつくし、今年のイ ンフレ率予想を上方修正した。

インドネシアやタイなどアジアの中央銀行はここ数週間相次ぎ利上 げを見送っており、今回のシンガポール当局の政策姿勢はそうした域内 の動きとは一線を画すものとなった。シンガポール・ドルは今年に入 り、アジア通貨で最も良好なパフォーマンスとなっている。当局は物価 圧力を抑えるために通貨上昇を容認するとの観測が背景にある。

バークレイズ・キャピタルのシニア地域エコノミスト、梁偉豪氏 (シンガポール在勤)は統計発表前、「リスクバランスは確実にインフ レ方向に傾いている」と指摘。「差し当たり、成長リスクは和らいでい る」と付け加えた。

インフレ見通し上方修正

1-3月のGDPは前年同期比では1.6%増と、ブルームバーグ調 査の予想中央値(1%増)を上回った。10-12月は3.6%増だった。

MASはこの日、シンガポールの今年の平均インフレ率見通し を3.5-4.5%と、従来の2.5-3.5%から引き上げた。コアインフレ率に ついても従来の1.5-2%から、2.5-3%に予想を上方修正した。シン ガポールでは、原油高や家賃の値上がり、民間部門の輸送費上昇、14年 ぶり低水準にある失業率が物価圧力につながっている。

ブルームバーグが金融機関を対象にまとめた調査では、21社中19社 がMASは取引バンドの変更を見送ると予想していた。

原題:Singapore GDP Rebound Prompts Shift to Faster Currency Gains (1)(抜粋)

--取材協力:Sarina Yoo、Rina Chandran.

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