ドル80円台後半で上値重い、米雇用指標弱含み

東京外国為替市場では、ドル・円相 場が1ドル=81円ちょうどを挟んだ水準でドルの上値が抑えられた。内 外の株価堅調を背景にリスク回避緩和に伴う円売り局面も見られたが、 米雇用関連指標の弱含みから追加緩和観測もくすぶり、ドル高・円安の 進行は限定的となった。

ドル・円相場は午前の取引で中国の経済指標発表前に期待先行で一 時81円20銭と、3営業日ぶりの円安値を付けたが、市場の予想を下回る 指標結果を受けて円が下落幅を縮小。午後3時56分現在は80円96銭付近 で推移している。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、日経平均株価が 前日比で100円を超える上昇となり、「リスクを取れるということで、 円売り」になったと説明。ただ、ドル・円は81円台に乗せるものの維持 できていないといい、先週の雇用統計を引きずって、米国の緩和観測が 残る限りは、ドルの上値が重い展開が続く可能性があるとみている。

一方、ユーロ・円相場は午前に一時1ユーロ=107円11銭と、3営 業日ぶりの水準まで円安が進行。午後にかけては106円台後半で取引さ れた。

米金融政策を見極め

12日に米国で発表された先週の新規失業保険申請件数は前の週から 1万3000件増加して38万件だった。ブルームバーグ・ニュースがまとめ たエコノミスト予想の中央値は35万5000件で、前週の36万7000件からの 減少が見込まれていた。

バークレイズ・キャピタルの逆井雄紀FXストラテジスト(ニュー ヨーク在勤)は、先週発表された米雇用統計で労働市場改善の持続性に 疑問符が付く中、新規失業保険申請件数が増えて、米景気に対する「懸 念を払しょくするまではいかなかった」と指摘。ドル・円相場は米国の 指標と金融政策見通し次第だとした上で、「とりあえず米国の懸念が払 しょくされるようなデータが出てこないと上は重たい」とみている。

米雇用関連統計の弱含みが目立つ中、米連邦準備制度理事会 (FRB)当局者からは、低金利政策の維持を改めて強調する発言が相 次いでいる。

そうした中、この日の米国時間には3月の消費者物価指数( CPI)が発表される。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想 によると、前月比0.3%上昇が見込まれている。2月は同0.4%上昇だっ た。変動の大きい食料品・エネルギーを除いたコア指数は、前月 比0.2%上昇と、前月の0.1%上昇を上回る伸びが予想されている。

外為オンラインの佐藤氏は、原油価格の影響など物価動向次第で は、米金融当局が追加緩和に「そう簡単には踏み切れない」可能性があ ると指摘。物価指標が強めであれば、緩和期待がやや後退する公算も残 るとみている。

中国GDPが予想下回る

一方、中国国家統計局が13日発表した1-3月(第1四半期)の国 内総生産(GDP)は前年同期比で8.1%の増加と、ブルームバーグ・ ニュースがまとめた市場予想の8.4%増を下回った。

SMBC日興証券の野地慎シニア債券為替ストラテジストは、円は 市場のリスク許容度に影響を受けやすい通貨だとし、「株が上がれば円 は売られるという展開になる」といい、アジア株の堅調を背景に円安に 振れていると説明。ただ、中国の指標があまりよくなかったということ で、オーストラリア・ドルの戻り売りが膨らんできた影響で、「どんど ん円安が進む感じではない」ともいう。

中国株式相場は上海総合指数が指標の発表前に急伸したあと、下落 したものの、午後には盛り返して、一時は3月下旬以来の高値を付けて いる。

--取材協力:近藤雅岐、大塚美佳. Editors: 持田譲二, 山中英典

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