スペイン、改革でも国債下落-財務相が救済排除と明言せず

スペインは市場の不安を静めるため 追加で100億ユーロ(約1兆600億円)の歳出削減計画を示したが、同国 がユーロ圏で4番目の救済対象となる懸念は去らないようだ。

スペインの10年債利回りは10日、同国財務省・中央銀行の首脳発言 を嫌気して約20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇 し、5.94%を付けた。デギンドス財務相はこの日のパネルディスカッシ ョンで、国際的な国家救済の可能性を排除することを避けた。さらに、 スペイン銀行(中央銀行)のオルドニェス総裁は想定外の景気悪化な ら、民間銀行への追加資本注入もあり得ると発言した。

ラホイ首相は9日、意表を突いた100億ユーロの歳出削減措置を発 表した。約2週間前に提示した予算案は既に、30年余りで最大の財政引 き締めを盛り込む内容だったが、首相は財政再建について市場を納得さ せるため、教育と医療という基本分野にまで踏み込んだ。

ロンドンのスピロ・ソブリン・ストラテジーのマネジングディレク ター、ニコラス・スピロ氏は電子メールで質問に答え、「スペイン経済 が致死性の悪循環に陥ったという懸念が強まっている」として、「政府 財政の弱さ、銀行の脆弱(ぜいじゃく)性、リセッション(景気後退) の度合いへの懸念が互いに不安を増幅し合っている」と指摘した。

ラホイ首相が3月2日に今年の財政赤字削減目標を後退させて以 来、スペイン国債利回りは100bp以上上昇した。

ユーロ圏の財務相らは同月12日に今年の財政赤字を国内総生産 (GDP)の5.3%に減らし、13年に3%まで減らすスペインの計画を 承認した。

政府の報道を担当する当局者によると、ラホイ首相は11日に与党国 民党の会議で改革計画を説明する。追加の歳出削減の対象となる医療と 教育は地方政府の管轄。首相は10日にマドリード自治州のアギーレ知事 と会談する。モントロ国庫相は同日、スペインのラジオ局RNEとのイ ンタビューで、同国が「大胆」な医療改革に取り組んでいると述べた。 地方政府の財政を正す必要があるとも発言した。

サンタンデール銀行のアルフレド・サエンス最高経営責任者 (CEO)はこの日、欧州中央銀行(ECB)がもっと積極的に公的部 門および民間の債券を購入するべきだとの考えを示し「欧州の量的緩和 の強化」を呼び掛けた。

UBSの為替チーフストラテジスト、マンスール・モヒウディン氏 は7日のリポートで、「課題を抱えるスペインの国債は欧州債務危機の 行方を占う先行指標になった」と指摘している。

原題:Spanish Bonds Decline Even as Rajoy Unveils More Budget Cuts(抜粋)

--取材協力:Emma Ross-Thomas、Charles Penty、Manuel Baigorri.

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