米国債:反発、欧州の債務危機懸念で逃避-QE3期待も再燃

米国債相場は反発。欧州で実施され た国債入札が予想よりも低調だったことから、域内のソブリン債危機は 解決していないとの懸念が強まり、逃避需要から米国債が買われた。

10年債利回りはほぼ2週間ぶり高水準から低下。前日は連邦公開市 場委員会(FOMC)の議事録で追加緩和への期待が後退したことで利 回りが上昇したが、その上昇も、市場予想を上回る経済指標が見られな ければ続かないとの観測が広がった。ニューヨーク連銀はこの日、2018 年4月から42年2月に償還を迎える米国債66億2000万ドルを買い入れ た。

ソシエテ・ジェネラルのトレーダー、ショーン・マーフィー氏(ニ ューヨーク在勤)は「欧州の問題は終わっていない」と指摘。また「投 資家はFOMC議事録への反応を考え直している。懸念されたほどタカ 派的な内容ではない。現実は、この先は経済指標により左右されるよう になるということだ」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後3時49分現在、10年債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下の2.23%。同年債(表面利率2%、2022年2月償 還)価格は19/32上げて97 31/32。利回りは前日、一時12bp上昇し た。

スペイン

欧州債市場では、スペイン10年債が一時26bp上昇の5.71%を付け た。スペイン政府は入札で、国債25億9000万ユーロ相当を発行。発行目 標は最大で35億ユーロだった。イタリア10年債は一時25bp上げ て5.40%となった。

キャンター・フィッツジェラルドの金利責任者、ブライアン・エド モンズ氏(ニューヨーク在勤)は、「欧州の脆弱(ぜいじゃく)な状況 を表している」と指摘した。

市場では米金融当局が追加の資産購入を実施する可能性があるとの 見方が広がり、米国債は堅調を維持した。

モルガン・スタンレーの米国担当チーフエコノミスト、ビンセン ト・ラインハート氏は顧客向けリポートで、経済指標で近い将来に景気 が著しく減速する兆候が示された場合はQE3の選択肢が机上に残る可 能性があるとした上で、「オペレーション・ツイスト(ツイストオ ペ)」第2弾の方がより実行可能な選択肢だと指摘した。

その上で、前日の議事録は追加緩和のセンチメントが弱まったこと を示唆しているとし、向こう数カ月にQE3が実施される確率を従来 の75%から33%に引き下げた。

リッチモンド連銀総裁の認識

リッチモンド連銀のラッカー総裁は、金融当局が新たな資産購入プ ログラムを始めるという可能性を、金融市場は強く見込み過ぎていたと 指摘した。

総裁は4日、ブルームバーグ・ニュースのワシントン支局で、「追 加緩和は確かにこの先考えられることだが、成長とインフレの状況がか なり大きく悪化しない限り私は実施を望まない」と述べた。

またサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は、サンフランシス コでの講演後、米経済が力強さを増していることから、金融当局による 追加緩和が必要になる可能性は低下しつつあると語った。

原題:Treasuries Rise as European Debt Concern Lifts Demand, QE3 Odds(抜粋)

--取材協力:Tj Marta.

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