英RBS:デリバティブ裏付け仕組み債発行取りやめ-関係者

英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコッ トランド・グループ(RBS)は自行のデリバティブ(金融派生商品) 取引を裏付けとする2億700万ドル(約171億3800万円)相当の債券発行 を取りやめた。非標準型のエキゾチックデリバティブ債の損失で傷を負 った投資家が複雑な仕組みに尻込みしたことが背景にある。事情に詳し い3人の関係者が明らかにした。

非公開情報であることを理由に関係者らが匿名で語ったところで は、スコアと呼ばれる債券の発行は2月にキャンセルされた。昨年11月 のプレゼンテーションによれば、債券購入者から集めた資金は、20億ポ ンド(約2600億円)相当のデリバティブ取引勘定の支払いを顧客が履行 できない場合、RBSへの補償に充てられる仕組み。顧客による不履行 が発生しなければ、債券保有者が15%を上回る金利とともに元本の償還 を受けることになっていた。

債券の発行キャンセルは、2008年の金融危機の一因となったその種 の仕組み債の需要の判断をRBSが見誤ったことを示している。同行は スコアのような取引について、英政府の救済を受けた後の資本増強の 「重要な手段」と位置付けていたが、サブプライム(信用力の低い個人 向け)ローンを裏付けとする債務担保証券(CDO)で約4200億ドルも の損失の痛手を被った投資家らは、桁外れなリターンを約束する複雑な 仕組み債をなお警戒していると関係者らは指摘する。

トロントを拠点とするコンサルタント会社、R2ファイナンシャ ル・テクノロジーズのダン・ローゼン最高経営責任者(CEO)は「こ の種の債券を誰が実際に購入しようとするのか分からない。何千ものデ リバティブがあり、何百というリスク要因が存在する」と話している。

RBSは当初、英ポンド建てのスコア債総額1億3000万ポンドを販 売する計画だった。

資本増強圧力緩和

RBSの決定に詳しい関係者の1人によれば、今年に入ってからの 社債相場の上昇で同行に対する資本増強圧力が緩和されたことから、 RBSは発行を取りやめた。RBSの広報担当レベッカ・ネルソン氏は コメントを控えている。英政府が出資する最大の金融機関である同行 は460億ポンドの公的資金による救済を受けたが、4年連続の赤字から 抜け出せないでいる。

スコアは過去10年間にわたって銀行の資産売却の必要を最小限に抑 えつつ、資本の制限を解消するのに役立つ取引手段の一つと考えられて きた。

金融機関の資本制限の解消に役立つ仕組み商品の運用と投資を目的 として先月設立されたオビッド・キャピタル・アドバイザーズのグレ ン・ブラシウスCEOは「RBSは資本増強を求める圧力に当分さらさ れ続けるだろう」と予想。「相場が上昇に転じたという理由」だけで RBSがなぜ発行をやめたのか想像できないと述べている。

原題:RBS Said to Scrap Sale of Bonds Backed by Own Derivative Trades(抜粋)

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