香港最大の家族経営の不動産開発会 社、サンフンカイ・プロパティーズ(新鴻基地産発展)を率いる資産家 兄弟が香港当局に逮捕された事件は、同社の後継者をめぐるリスクを浮 き彫りにしたようだ。

香港で不正を取り締まる廉政公署は3月29日、サンフンカイの郭炳 江(トーマス・クオック、59)、郭炳聯(レイモンド・クオック、58) 両共同会長を賄賂防止条例違反の疑いで逮捕(その後釈放)した。両容 疑者は昨年、時価総額で香港最大の不動産会社の会長職を母親から引き 継いでいた。60歳の長男、郭炳湘(ウォルター・クオック)氏は、2008 年の内紛の際に会長職を解かれている。

今回の捜査に伴い、サンフンカイではこの約4年間で3度目の会長 交代が起こる可能性が高まる。また、80歳を超す家長が率いるヘンダー ソン・ランド・デベロップメント(恒基兆業地産)など、香港の不動産 会社の経営陣の継続性をめぐる新たな懸念にもなる。サンフンカイの時 価総額が30日に49億ドル(約4100億円)吹き飛んだ後でも、香港の富 豪10人のうち6人が時価総額の合計が1020億ドルの上場不動産会社を率 いている。

香港浸会大学のビリー・マック教授(経営学・決定科学)は「香港 の一部の大手不動産開発会社では、後継者計画の欠如が問題だ」と指 摘。「会社の実権を握る人物がいなくても日々の業務に支障はないだろ うが、会社が大きな決断をする際には、支配的な株式を保有する一族の メンバーの関与が必要になる場合がよくある。これは厳格な管理を維持 する上でマイナスの側面だ」と語った。

ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、サンフンカイの両共同 会長と母親の鄺肖卿(クオン・シウヒン)氏は3人で同社の株式 の42.9%を保有し、純資産は139億ドル。

原題:Sun Hung Kai Arrests Reveal Hong Kong Builders Succession Risks(抜粋)

--取材協力:Sandi Liu、Andreea Papuc.

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