債券は下落、米債安やあすの10年債入札に警戒-長期金利1%台乗せ

債券相場は下落。長期金利は2営業 日ぶりに1%台に乗せた。前週末の米国債相場の下落が嫌気されたほ か、あす実施の10年国債入札に向けた売りなどが優勢だった。一方、 日本銀行が朝方発表した企業短期経済観測調査(短観)が弱めの内容 だったことに対する相場の反応は鈍かった。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、「長期金利の 低下余地が乏しいとみられる中での10年債入札の実施に対して警戒 感が広がっている」と話した。新年度入り直後で様子見姿勢が強く、 先物主導の下げにも警戒が必要とも指摘。一方で、「金利上昇時の買い が支えになるため、入札が大きく崩れる可能性も低い」との見方を示 している。

東京先物市場で中心限月6月物は、前週末比22銭安の141円79 銭で始まり、午前9時半前には3月26日以来の安値となる141円67 銭まで下落した。午後は141円70銭台を中心としたもみ合いとなり、 結局は27銭安い141円74銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の321回債利回り は前週末比2.5ベーシスポイント(bp)高い1.01%と、3月27日以来 の水準で開始。いったんは1.005%を付けたが、再び1.01%で推移。

現物債は全般的に安い。5年物の103回債利回りは2.5bp高い

0.34%と1週間ぶり高水準。20年物の134回債利回りは3bp上昇の

1.77%、30年物の36回債利回りは3bp上げて1.955%と3月21日以 来の高い水準。

みずほインベスターズ証券の落合昂二チーフマーケットエコノ ミスト「米債安の影響や年度初めで水準的に益出し売りから入りやす かった。おっかなびっくり10年債入札を迎えるという感じなので慎重 にならざるを得ない。中国のPMI(製造業購買担当者指数)が良か った影響もあるだろう」と話した。

10年入札、利率1.0%据え置きか

財務省は3日に10年利付国債(4月発行)の入札を実施する。前 回入札された10年物の321回債利回りは1.01%程度で取引されてお り、新発債の表面利率(クーポン)は前回債と同じ1.0%が見込まれ ている。発行額は前回債より1000億円増の2兆3000億円程度。

新発10年債利回りは3月15日に1.06%と3カ月半ぶりの高水準 を記録した。その後は水準を切り下げ、前週後半は再び0.9%台で取 引されたが、週明け2日は1%台に乗せている。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジ ストは、入札について「クーポンは4カ月連続の1.0%か。きょうは

1.01%まで上昇しており、アンダーパー(100円以下)の可能性が出 てきた。水準の評価はまずまず。ただし、スワップ対比では割高感が 強い」と分析。一方、増額については、「昨年12月時点で決まってい たことで、あらためて需給悪化につながる心配はない」と言う。

日銀短観

日銀が朝方に発表した短観(3月調査)では業況判断指数(DI) は大企業・製造業がマイナス4と昨年12月の前回調査から横ばい。大 企業・非製造業はプラス5と1ポイント改善した。予想調査はそれぞ れマイナス1、プラス5。2012年度の大企業・全産業の設備投資計画 は横ばい。

短観について、みずほインベ証の落合氏は「他のマインド調査が 上向いていただけに短観の結果には意外感がある。朝方の相場への影 響は限定的。製造業の景況改善は期待が高過ぎた面もある。今後は復 興需要も効いてくるので先々は回復していくのでないか」とみていた。

一方、野村証券の松沢中チーフストラテジストは「業況判断が思 ったよりも弱く、12年度の設備投資計画も悪くはないが、景気のけん 引役を期待するには力不足」とし、相場の支えとの見方を示した。

前週末の米債相場は下落。四半期末に伴う調整の売りなどが優勢 だった。米10年債利回りは5bp高い2.21%程度。一方、米株市場で S&P500種株価指数は0.4%高の1408.47。

--取材協力 船曳三郎 Editors:山中英典、青木勝

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